沖縄不動産投資でアパートローンを利用するには?情報量がモノを言う

 

2017年ごろから、アパートローンの利用環境が徐々に悪化しています。それに拍車をかけたのがスルガ銀行の不正融資問題でした。

社会的に大きな波紋を呼んだこの事件の影響を受けて、全国の金融機関はアパートローンに慎重になりました。

沖縄県内の金融機関も同様であり、物件価格が値上がりしている沖縄不動産投資では、融資を受けられるかどうかが一つの難関になっています。

本稿では、アパートローンを利用して沖縄不動産投資を有利に進めていくためにも、 融資に関する情報の集め方を解説していきます。

 

情報を制するものが戦いを制する!融資情勢の「最新情報」が重要

 

2017年あたりから、アパートローンが徐々に利用しづらくなりました。スルガ問題が起こった2018年以降、融資情勢は特に厳しくなっています。

これは、沖縄県内の主要銀行である琉球銀行・沖縄銀行・沖縄海邦銀行なども例外ではありません。

属性や金融資産、不動産事業の経験など、求められるレベルがかなり高くなってきています。

 

融資情勢が厳しくなっているということは、 融資を受けられる投資家と、受けられない投資家で大きな差が表れるということでもあります。

せっかく、良い物件情報を掴んだとしても、融資を受けられなければ買うことは困難です。

買うべきものを、チャンスをつかんだときにしっかり買えることは、すべての投資において大きな強みとなります。

情報を制するものが戦いを制すると言います。融資を引き出しやすくするためには、融資に関する情報を集めておくことが重要です。

 

ネットの情報は全く使えないことも多い

しかし、融資に関する情報を、正確に、素早く集めることは簡単ではありません。

なぜならば、銀行の融資の姿勢は簡単に変わってしまうことがあり、 少し前の情報が全く通用しなくなってしまうこともあるからです。

 

これは、ここ数年でのアパートローンを見てもわかるでしょう。

何年間にもわたって、比較的容易に融資を受けられていたものが、ほんの1、2年間のうちにかなり厳しくなっています。

 

融資に関する情報を集めるとき、ネットを利用する人も多いと思います。

しかし、ネットのコラムやブログなどに書かれている情報は、数か月前、数年前の情報であることも多く、今では全く使えない情報かもしれません。

 

半年前、投資家のAさんのブログでは「頭金たった○万円で融資を受けられました!」などと書かれていても、 それが現在の自分に当てはまる保証はどこにもないのです。

また、金融情勢はそれほど変わっていなくとも、それぞれの銀行や支店で融資への姿勢が変わってしまうこともよくあります。例えば、

 

・A銀行では、これまで融資に積極的であった。しかし、今期の決算で不良債権の比率が高まったことにより、融資に慎重になった

・B支店では、融資に積極的な支店長がいたため、融資を受けやすかった。しかし、人事異動で新たに着任した支店長が融資に慎重な考え方であったため、融資を受けることが困難になった

 

というように、同じ銀行や支店でも、ちょっとしたきっかけで融資情勢が大きく変わってくるのです。

このような変化がしばしば起こることから、ネットの情報はすでに古くなっていることも多くため、参考程度に見ておく必要があります。

さらに、ネットには情報のソースが不明な記事も多く、間違った情報が記載されていることもよくあるため、この意味でも過信は失敗のもとです。

 

どこから情報を集めるか?

しかし、最新の情報を集めることは容易ではありません。

最新の正確な情報は、銀行が一番よく知っているのですが、銀行は融資に関する情報をあまり外部に漏らさないため、銀行のホームページやプレスリリース、決算短信などの情報を探ったところで、最新の融資情報はよく分かりません。

そこで、できるだけ正確で新しい情報を集めるためには、以下のようなルートから探るのが最適です。

 

不動産会社からの提案

不動産会社を情報源とする方法は、最もスタンダードな方法です。

不動産会社の中には、単に物件の売買を仲介するだけではなく、 銀行とのパイプを持っており、融資提案も同時に行っている会社が少なくありません。

このような不動産会社に資料を請求したり、メールや電話で問い合わせたりすれば、融資提案を受ける機会も出てきます。

 

不動産会社は、最新の融資情勢を踏まえて提案をしているため、これらの提案によって、その銀行で求められる年収、金利、自己資金などの情報や、金融業界全般の傾向を知ることができます。

これから沖縄不動産投資を始める人は、沖縄の不動産業者とあまり接点がないと思います。

それでも、沖縄県内の不動産に特化した不動産情報サイトで物件情報を見ていると、「融資提案もお任せください」といったアピールをしている会社があります。

そのような会社にコンタクトを取ってみると良いでしょう。

 

このときのポイントは、 できるだけ多くの会社にコンタクトを取るということです。

会社によっては、その会社が提案しやすい条件で、特定の銀行だけを提案することもあるからです。

そのような提案に依存すると、琉球銀行ならば金利2%で受けられる人が、沖縄銀行から金利2.5%で借りてしまう、といったミスが出てくる可能性があるのです。

 

少数の提案だけでは、誤った基準で考えることになりかねません。

できるだけ多くの提案を受けることで、 「最近の琉球銀行の条件はこんな感じ、沖縄銀行はこんな感じ。自分の今の状況なら琉球銀行のほうがいいな」というように、より正確な判断ができるようになります。

 

銀行に聞いてみる

銀行は、融資などに関する情報を外部に漏らさないと書きました。

しかしこれは、銀行が積極的に情報を開示しないことが多いというだけです。

こちらから銀行に融資の相談をした場合には、ある程度のことを説明してもらうことができます。

また、相談が具体的であればあるほど、具体的な説明を受けることができます。

 

まずは電話で聞いてみる

まずは、銀行に電話をしてみるのが良いでしょう。

沖縄県内在住の人であれば、琉球銀行・沖縄銀行・沖縄海邦銀行などのそれぞれについて、不動産会社から得た情報も参考にしつつ、自宅から最も近い支店に電話をかけます。

県外から沖縄不動産投資を検討している人も、居 住エリアから最も近い、沖縄の地銀の支店に電話をするのが良いでしょう。

 

もっとも、沖縄の地銀の支店は、ほとんどが沖縄県内に集中しており、県外では琉球銀行が千代田区に、沖縄銀行が中央区に支店を持っているのみです。

自宅から近い支店に電話するのは、実際に訪問して詳しい話を聞くときのためです。

 

もし、県外から沖縄不動産投資を検討しており、なおかつどの支店も近所にないならば、ヒアリング先は琉球銀行一択となります。

これは、琉球銀行では県外から沖縄不動産投資をする人を対象に、「沖縄大好き 夢」というアパートローンを提供しているからです。

沖縄銀行や沖縄海邦銀行では、このような県外在住者向けプランを提供していないため、おのずと琉球銀行を利用することとなります。

 

 

ヒアリングの際には、

「沖縄県内の中古物件の購入を検討しており、融資を利用したいと考えています。御行に取扱商品がありましたら、お尋ねしたいことがあるのですが」

といった感じで質問します。

すると、担当者が対応してくれるので、必要な自己資金や金利などの条件を聞いてみます。

これを聞くことによって、その銀行のアパートローンへの姿勢がいくらか分かります。

 

例えば、 「最近は、資産家や地主、専業大家などへの融資ばかりで、サラリーマンへの融資はしていない」ということであれば、そのように伝えてくれると思います。

また、自分にはハードルが高いように感じても、自己資金が多い、年収が多い、狙っている物件の収益性が高いなどのアピールをすることによって、詳しい話に進展することもあります。

 

注意すべきことは、あくまでも 「賃貸事業を始めるために、事業資金としてアパートローンを利用したい」と説明することです。

というのも、銀行は 事業資金を融資しているのであって、投資資金は融資していないという建前があるからです。

したがって、「不動産“投資”のために」という伝え方をしてしまうと、銀行は貸せなくなってしまいます。電話・対面を問わず、投資は禁句だと覚えておきましょう。

 

対面でも聞いてみる

電話でヒアリングしてみて、もっと具体的に話を聞いてみたいと思ったならば、アポを取って支店を訪問します。

この時、具体的に相談した物件の情報を持ち込むことがポイントです。

というのも、具体的な相談をすることによって、その銀行では どのような物件が好まれるか、担保価値をどのように見ているか、収益性をどのように見ているか、アパートローンに慣れているかなど、交渉に役立つ情報をたくさん得られるからです。

 

もちろん、その銀行がなんとなく自分に合う・合わないといった、直感的な情報も重要です。

その結果、「別の銀行をあたったほうがよさそうだ」「この銀行は積極的にプッシュしていこう」など、自分なりに融資交渉の方針を持つことができます。

対面でヒアリングすることで得た情報は、間違いなく正しく、最も新しい情報ですから、融資を考える上でこれほど頼りになる情報はありません。

 

順番は不動産会社→銀行

不動産会社と銀行から情報を集めていく方法を解説しましたが、順番としてはまず不動産会社、次に銀行という流れがおすすめです。

いきなり銀行に聞き込みをすれば、それぞれの銀行についてほとんど情報がないところからスタートする必要があります。

 

しかし、事前に不動産会社の融資提案を通して情報を収集しておけば、融資を受けやすい銀行はどこか、それぞれの銀行の融資条件はどのようになっているかなど、大まかな情報を得ることができます。

その情報をもとに、融資を受けやすそうな銀行から優先的にヒアリングしていくと、情報収集を効率的に進めることができるのです。

 

まとめ

沖縄県内の金融機関も、アパートローンにはかなり慎重になっています。

他の都道府県に比べて、利用できる金融機関が限られている沖縄不動産投資では、金融機関の情報をいかに正確にキャッチするかによって、投資の成果にも大きな差が出てくるでしょう。

 

アパートローンのレバレッジ効果によって、資産運用を加速させるところに、不動産投資の魅力があります。

沖縄不動産投資でも、しっかりと情報を収集し、アパートローンの利用につなげていきましょう。

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