沖縄不動産投資で狙うべき中古物件の築年数は「17.6年」その理由とは?
沖縄不動産投資では、新築物件への投資が難しいことから、中古アパートへの投資を狙っていくこととなります。この時に狙うべき築年数は 17.6年前後です。
これは、 最も探しやすい築年数であると同時に、収益性も十分に期待できることが理由です。
本稿では、沖 縄不動産投資で狙うべき築17.6年程度の物件について、その優位性を解説していきます。
目次
沖縄の中古物件の平均築年数は17.6年
沖縄不動産投資では、基本的に中古アパートへの投資を狙います。これは、沖縄は土地の価格と建築コストが高いことから、新築不動産の取得単価が高くなってしまい、 利回りを確保することが難しいことが理由です。
では、築何年くらいの中古物件を狙えば良いのでしょうか。
全国の都道府県における、中古アパートの平均的な築年数をまとめると、以下の表のようになります(2019年2月のデータ)。
順位 | 都道府県 | 平均築年数(年) |
1位 | 島根県 | 13.6 |
2位 | 鳥取県 | 15.1 |
3位 | 沖縄県 | 17.6 |
4位 | 福井県 | 18.6 |
5位 | 栃木県 | 18.8 |
6位 | 佐賀県 | 19.5 |
7位 | 熊本県 | 20.2 |
8位 | 山形県 | 20.3 |
9位 | 宮崎県 | 20.3 |
10位 | 富山県 | 20.5 |
11位 | 岡山県 | 20.7 |
12位 | 秋田県 | 20.8 |
13位 | 茨城県 | 20.9 |
14位 | 愛媛県 | 20.9 |
15位 | 岩手県 | 21.1 |
16位 | 高知県 | 21.1 |
17位 | 三重県 | 21.2 |
18位 | 滋賀県 | 21.4 |
19位 | 新潟県 | 21.5 |
20位 | 鹿児島県 | 21.9 |
21位 | 長崎県 | 22.0 |
22位 | 徳島県 | 22.5 |
23位 | 山口県 | 22.7 |
24位 | 岐阜県 | 23.0 |
25位 | 福島県 | 23.0 |
26位 | 広島県 | 24.1 |
27位 | 長野県 | 24.1 |
28位 | 山梨県 | 24.2 |
29位 | 群馬県 | 24.2 |
30位 | 東京都 | 24.2 |
31位 | 埼玉県 | 24.3 |
32位 | 愛知県 | 24.4 |
33位 | 大分県 | 24.4 |
34位 | 神奈川県 | 24.6 |
35位 | 京都府 | 24.8 |
36位 | 宮城県 | 24.9 |
37位 | 福岡県 | 25.1 |
38位 | 香川県 | 25.3 |
39位 | 青森県 | 25.3 |
40位 | 静岡県 | 25.4 |
41位 | 和歌山県 | 25.7 |
42位 | 千葉県 | 26.1 |
43位 | 大阪府 | 26.4 |
44位 | 北海道 | 26.8 |
45位 | 奈良県 | 26.9 |
46位 | 石川県 | 27.6 |
47位 | 兵庫県 | 27.9 |
全国平均 | 22.7 |
多くの都道府県が築20年を超えている中で、 沖縄県の平均築年数は17.6年です。他 の都道府県と比較して新しい物件が多いことが分かります。
沖縄県には売り物件の情報がそれほど多くありません。平均築年数から離れるほど物件数は少なくなると考えられるため、狙うべき中古アパートの築年数は17.6年前後になると考えるのが妥当でしょう。
なお、17.6年前後の物件は、数が多いため狙いやすいというだけではなく、 投資には最適な年数です。
沖縄県では、台風やシロアリ被害が多いことから、ほとんどの物件が鉄筋コンクリート造となっています。このため、築15年を過ぎたあたりから、 外壁塗装や屋上防水をはじめ、主要な設備の大規模修繕が必要になってきます。
築年数が15~20年あたりの物件では、大規模修繕の必要から手残りが大きく低下を始め、これがオーナーにとって売却のきっかけになります。したがって、17.6年という築年数を狙っておけば、 比較的容易に購入のチャンスが出てくると考えられます。
築17.6年の物件でも賃貸経営は可能である
ここで気になるのが、築17.6年の中古物件でも賃貸経営はうまくいくかということです。一般的に、築年数とともに物件の稼働率は低下していくものであり、空室リスクに悩まされることも増えてきます。
沖縄県の不動産では、築年数と稼働率の関係は以下のようになっています(2017年データ)。
築年数 | 平均稼働率(%) | 賃料下落率(新築を100%とする) |
新築 | 96.8% | 100.0% |
築2~5年 | 97.7% | 100.2% |
築6~10年 | 95.7% | 98.3% |
築11~15年 | 92.0% | 93.9% |
築16~20年 | 88.8% | 89.5% |
築21~30年 | 85.5% | 84.3% |
築31年以上 | 82.4% | 81.6% |
この表のように、沖縄県の物件の稼働率は全築年数で82.4%以上となっており、平均値は91.3%にもなります。全国の稼働率の平均は78.9%であることを考えれば、非常に高い稼働率であると言えます。
沖縄県の平均的な築年数である 17.6年の中古物件では、88.8%の稼働率となっています。空室率として考えれば11.2%であり、 10戸につき1戸程度が空室になる計算です。
家賃の下落は東京23区と比べて軽微
また、築17.6年の物件を購入するにあたり、築年数による家賃の下落も考慮しておく必要があります。
2017年のデータによれば、沖縄県の不動産では、上の表のように家賃が下落しています。
築17.6年の中古物件では、新築時の89.5%程度の下落となっています。新築時の賃料が4万円であれば、築17.6年の物件の賃料は35800円となります。
しかし、この賃料下落は深刻なものではありません。東京23区における賃料下落と比べてみると、そのことがよくわかります。
築年数 | シングルの賃料下落率(新築を100%とする) | コンパクトの賃料下落率(新築を100%とする) |
新築 | 100.0% | 100.0% |
築3~10年 | 92.6% | 92.2% |
築11~20年 | 84.4% | 83.7% |
築20年以降 | 81.6% | 80.5% |
※シングルとは18㎡以上30㎡未満、コンパクトとは30㎡以上60㎡未満の物件。
この表のように、賃貸需要の旺盛な東京23区でさえ、賃料の下落率が沖縄県を上回っていることが分かります。
東京23区における築17.6年の物件では、 新築時の83.7~84.4%へと下落しており、沖縄県の下落率を上回っているのです。
沖縄不動産は採算性が高く安定している
このような家賃の下落と、稼働率の低下を合わせて考えてみると、物件の収益性は以下のようになります。
- 新築時の物件価格:1億6000万円(20戸)
- 新築時の月額賃料:4万円(年間960万円、満室時利回り6%)
- 新築時の稼働率:96.8%
- 築17.6年の月額賃料:3万5800円(新築時の89.5%)
- 築17.6年の稼働率:88.8%
新築時の利回り
(4万円×20戸×12ヶ月)×96.8%÷1億6000万円≒5.8%
築17.6年の利回り
(3万5800円×20戸×12ヶ月)×88.8%÷1億6000万円≒4.8%
この例では、新築時ベースでの比較であるため、築17.6年の中古アパートの取得単価を1億6000万円として計算しています。実際の売値は新築時よりかなり落ちることから、新築時の利回りを上回る可能性が高いです。
このように考えると、稼働率や賃料が落ちるとはいえ、沖縄不動産投資で狙うべき築17.6年の中古アパートでも安定した収益が期待できるのです。
まとめ
本稿で解説したように、沖縄の中古アパートで最も多い築年数は17.6年となっており、これくらいの築年数の物件が最も探しやすいです
また、この築年数における稼働率や賃料を見ても、沖縄県は他の都道府県よりも高い収益性を維持できるめ、築17.6年前後の物件を安心して購入することができます。
ぜひ、沖縄不動産投資で中古物件を探す際には、本稿の情報を参考にしてみてください。