沖縄の不動産に必須の設備は「駐車場」どれだけ重要?全国と比較してみる

不動産投資の際、物件に求める条件や設備には色々なものがあります。
物件のタイプや地域、入居者のターゲットなどによって、求める条件や設備は変わってくるでしょう。

沖縄不動産投資でも、沖縄の特性によって必ず欠かせない設備があります。

それは、駐車場です。

沖縄では、一般の不動産投資の基準では考えられないほど、駐車場の重要性が高いのです。

本稿では、沖縄不動産投資における駐車場の重要性を、具体的なデータによってみていきましょう。

 

沖縄不動産投資と駐車場の重要性

不動産の購入を検討するにあたって、重視する項目はそれぞれあると思います。

一般的な不動産投資で重視される条件といえば次のような条件でしょう。

  • 立地(特に駅からの距離)
  • 利回り
  • 築年数

これは、地域を問わず共通して重視されるものでしょう。

しかし、沖縄不動産投資で物件を選ぶ際には、これらの条件に加えて駐車場を重視する必要があります。

沖縄県が車社会であり、 戸数分の駐車場がない物件では入居者獲得に苦労する可能性が高いからです。

 

もちろん、沖縄県以外の都道府県でも、地方であれば車なしでは生活できない地域がたくさんあります。

そのような地域でも駐車場の重要性は高く、特に駐車場が不足しているファミリー物件などでは、入居率に響く可能性が高いです。

もっとも、車社会の地方都市でも、単身者向けのワンルームなどでは駐車場がない物件もあります。

駐車場の数が戸数より少ない物件も珍しくありません。
駅や月極駐車場が近くにあれば、あまり問題にならないケースも多いです。

しかし、沖縄県は違います。

ファミリー物件で戸数分の駐車場があるのは当たり前です。
なおかつワンルームをはじめとした単身者向けの物件でも、戸数分の駐車場が求められるのです。

 

沖縄県は駐車場設置率ナンバーワン

ここまで読んで、

「車社会の地方でも駐車場が重要。しかし、沖縄ではそれ以上に重要」

というように、沖縄不動産投資での駐車場の重要性が分かると思います。

他の都道府県と比べて、沖縄県で駐車場の重要性が高いことは、以下の表から明らかです。

これは、2010年から2014年の5年間における、新築マンションの駐車場設置率と、各都道府県の駐車場使用料、自動車普及台数の平均をまとめたものです。

順位 都道府県 駐車場設置率(%) 駐車場使用料(円/月) 自動車普及台数(台/世帯)
1位 沖縄県 136.6 6,187 1.275
2位 山口県 123.5 4,959 1.227
3位 鳥取県 120.0 4,583 1.444
4位 島根県 118.0 4,028 1.397
5位 大分県 115.4 7,035 1.277
6位 宮崎県 114.4 5,566 1.265
7位 佐賀県 114.0 5,302 1.508
8位 三重県 113.1 5,219 1.464
9位 岐阜県 111.7 5,292 1.605
10位 群馬県 111.6 4,818 1.654
11位 熊本県 110.9 7,145 1.307
12位 秋田県 110.0 4,750 1.385
13位 鹿児島県 108.5 7,620 1.142
14位 高知県 107.9 5,819 1.091
15位 栃木県 106.9 4,956 1.628
16位 山梨県 104.3 7,083 1.539
17位 長野県 104.0 5,367 1.583
18位 福井県 103.6 8,667 1.743
19位 徳島県 103.5 5,950 1.350
20位 新潟県 101.8 8,442 1.555
21位 茨城県 101.6 5,338 1.603
22位 青森県 101.0 11,500 1.224
23位 静岡県 99.6 7,165 1.419
24位 福島県 99.1 8,375 1.564
25位 石川県 98.2 10,604 1.492
26位 広島県 98.1 8,153 1.109
27位 山形県 96.3 6,063 1.674
28位 愛知県 95.4 8,811 1.298
29位 香川県 94.3 6,500 1.336
30位 岩手県 93.7 7,944 1.397
31位 愛媛県 92.4 6,270 1.116
32位 北海道 92.3 10,344 1.007
33位 福岡県 91.5 9,628 1.082
34位 富山県 91.1 5,914 1.709
35位 宮城県 88.0 8,868 1.310
36位 岡山県 87.6 9,636 1.370
37位 長崎県 85.9 10,733 1.078
38位 滋賀県 77.1 8,937 1.406
39位 奈良県 73.3 10,603 1.113
40位 千葉県 64.8 10,176 1.006
41位 和歌山県 64.3 8,188 1.205
42位 兵庫県 63.3 14,105 0.921
43位 大阪府 56.6 15,536 0.660
44位 埼玉県 54.7 10,361 1.009
45位 神奈川県 52.0 15,253 0.736
46位 京都府 33.0 16,224 0.838
47位 東京都 24.5 25,506 0.461

首都圏や近畿圏を見てみると、駐車場設置率が非常に低くなっていることが分かります。

これは、公共交通機関が整備されていること、そして駐車場使用料が高いことが主な原因と考えられます。

つまり、このような地域では、

  • 自動車を持っていない人も多く、駐車場を設置する必要がない
  • 駐車場の使用料の高さを敬遠する人が多いため、駐車場を設置しても利用されないことが多い

などの理由から、駐車場設置率が低くなっているのです。

 

では、駐車場設置率が高い都道府県を見てみると、沖縄県が駐車場設置率で全国ナンバーワンとなっています。2位以下とかなり差がある1位ランクインです。

そして、ランクが低い都道府県と比較してみると、

  • 自動車を持っている人が多く、駐車場を設置する必要性が高い
  • 駐車場の使用料がそれほど高くなく、駐車場を設置すれば停めたいと考える人が多い

などの理由から、駐車場設置率が高くなっていることが分かります。

また、沖縄県は世帯ごとの自動車普及台数がとびぬけて高いわけではないものの、駐車場設置率と自動車普及台数を比較してみると、駐車場の重要性がよくわかります。

 

3位以下の都道府県では、駐車場設置率が自動車普及台数の水準を下回っており、2位の山口県でわずかに上回っています。

これは、全世帯の自動車を停められるだけの駐車場を備えていないということであり、逆に言えばそれでも物件として成り立つということです。

しかし沖縄県では、駐車場設置率が自動車普及台数の水準を大きく上回っています。

これは、全世帯の自動車を停められるだけの駐車場を備えているということであり、駐車場のニーズが極めて高いということです。

 

鉄道路線がほぼない沖縄

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さらに、沖縄県は2位以下の都道府県と大きく異なる特徴を持っています。

それは、沖縄県では鉄道路線がほとんど発達していないことです。

お沖縄空港駅から首里駅までをつなぐ、約12㎞のモノレールが唯一の路線です。

他の都道府県では、県内全域に鉄道路線がめぐらされており、電車が重要な交通手段となっています。

このため、物件の立地を考えるにあたって、次の条件が重要となります。

  • 駅からの距離がどの程度か
  • 駅の利用者数はどれくらいか
  • 快速や特急の停車駅であるか

しかし、沖縄県では電車やモノレールを利用する習慣がなく、12㎞の路線ではその習慣が作られる見込みも当分ないでしょう。

物件の立地を考える際に「駅」という要素をほとんど重視する必要がないのです。

これも、沖縄県が車社会であり、駐車場設置率が高くならざるを得ない理由だと言えるでしょう。

沖縄で不動産を選ぶ際には、戸数分の駐車場があることが重要な条件となるのです。

 

まとめ

車の重要性が高い地域であればあるほど、駐車場の重要性は高まります。

駐車場があることによって、入居率は高まるでしょうし、駐車場からも収益が期待できるでしょう。

しかし、地方のファミリー物件などは別とすれば、これはあくまでも「駐車場はあったほうが良い(近くに駅や月極駐車場があれば問題ない場合も多い)」ということです。

沖縄の場合には、駐車場がなければ話にならない」というケースがほとんどであり、物件の重要な選定基準になることを知っておく必要があります。

沖縄不動産投資のひとつの特殊性として、覚えておきましょう。

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