コインパーキング投資と軍用地投資を比較してみると、軍用地投資が圧倒的に優れている結果に・・・

軍用地投資は土地への投資であるため、もっと良い方法で土地に投資できないかと考える人もいるはずです。

この時、コインパーキング投資を検討する人もいるでしょう。

コインパーキング投資は、 近年人気の高まっている不動産投資の一種であり、土地さえあれば比較的簡単に取り組める投資です。

需要さえあれば、ほったらかしでも駐車料金が入ってくるため、収益性も高いとされています。

同じ土地の投資であると考えたとき、コインパーキング投資と軍用地投資はどちらが優れているのでしょうか。

本稿で徹底的に比較していきます。

コインパーキング投資と軍用地投資の比較

軍用地投資は、沖縄で軍隊に提供されている土地を購入し、日本政府から借地料を受け取るという投資です。

したがって、軍用地投資の前提として土地の購入が必要となるのですが、この時、同じ土地への投資であれば、 コインパーキング投資のほうが良いのではないかと考える人もいます。

沖縄は観光地としての人気が非常に高いことから、観光地周辺でコインパーキングを営業すれば、たとえ狭い土地でも高い稼働率と収益性が期待できるかもしれません。

また、最近の不動産業界では、コインパーキング投資を効率の良い投資手法とする考え方があることも事実です。

では、沖縄で土地に投資する場合、軍用地とコインパーキングではどちらが良いのでしょうか。

複数の観点から比較していきましょう。

始めやすさからの比較

まず、始めやすさから検討していきましょう。

コインパーキング投資の始めやすさ

コインパーキング投資は、参入と撤退が容易であることがメリットとされています。

なぜならば、 土地を購入し、アスファルトを敷き、駐車場としての設備を導入すれば、あとは無人で24時間営業のコインパーキングが完成するからです。

また、コインパーキング投資の手法は複数あります。

土地の購入から実際の経営まで全て自分でやる場合もあれば、土地は購入せずに賃貸し、その土地に設備を導入し、地代を支払いながら経営するパターンもあります。

あるいは、購入した土地をコインパーキング業者に貸して駐車場経営を任せる方法や、賃貸した土地をコインパーキング業者に転貸して駐車場経営を任せる方法もあります。

 

さらに、経営がうまくいかなかったり、辞めたくなった場合には、機器を解体するだけで撤退することができます。

これが賃貸経営であれば、建物を解体するのは容易ではありませんから、 コインパーキング投資は撤退がかなり簡単だと言えます。

撤退が簡単であることも、コインパーキング投資のハードルの低さにつながっています

ただし、駐車場としての 需要が見込めるエリアをしっかり選ぶこは、簡単ではありません。

需要が見込めるエリアを特定したとしても、そのような土地の購入価格や地代は高くなるはずです。

したがって、購入すべき土地の選定や、資金面での難しさがあります。

軍用地投資の始めやすさ

軍用地投資も、始めやすさではかなり優れています。

なぜならば、軍用地投資は難しいことを考えずに投資できるからです。

というのも、軍用地投資は、 軍用地を買いさえすれば収益が確定します。

日本政府は軍用地を必ず借り上げ、必ず滞納なく借地料を支払い続けてくれるため、購入時点でリターンを確定し、かなり確度の高い投資シミュレーションに基づいた投資が可能です。

土地の価格も、安いものでは数百万円、多くは1000万円台から購入でき、 確実に得られる借地料を担保とみなす「軍用地主ローン」で融資を簡単に受けることができます。

 

また、撤退も非常に簡単です。

軍用地の需要は非常に高いため、売ろうと思えばすぐに買い手がつき、いつでも撤退することが可能です。

もちろん、始めやすさも安定性もピカイチであるため、軍用地投資から撤退しようと考える人はほとんどいません。

唯一の問題は、軍用地投資から撤退しようとする人があまりにも少なく、投資したい人は多いことです。

需要が供給を完全に上回っているため、なかなか購入できません。

購入のためには、粘り強く買い付けを入れ続ける必要があります。

結論:軍用地投資の方が始めやすい

上記のように比較すれば、軍用地投資のほうが始めやすいと言えます。

実際に購入できるタイミングが多くないのが難点ですが、その他の点ではかなり始めやすいです。

コインパーキング投資では、需要の見込めるエリアを正しく選ぶ必要があるのに対し、軍用地投資ではそのような手間がほとんどありません。

現地調査の必要もないので、確認・分析すべきことはごく限られています。

さらに、軍用地投資は資金調達も容易ですし、購入後に予想される困難もほとんどなく、安心して投資に踏み切ることができます。

賃貸経営に比べれば、コインパーキング投資のほうが始めやすいと考えられますが、軍用地投資と比べてしまえば明らかに見劣りします。

自然災害リスクの比較

Businessman protects himself from the crisis. Mixed media

次に、不動産投資につきものである自然災害リスクについて、考えていきましょう。

コインパーキング投資の自然災害リスク

そもそも、沖縄は自然災害リスクの少ない土地柄です。

台風が多いことを除けば、地震や水害のリスクも低く、これは 東日本大震災の後に地震を恐れて沖縄に移住した人が多かったことからも明らかです。

したがって、コインパーキング投資では自然災害リスクをほとんど考える必要がありません。

考えられるリスクとしては、例えば台風の強風で精算機に何らかの物体が直撃し、破損するといったリスクくらいのものです。

地震のリスクが少なければ、コインパーキングのアスファルト部分が破損することも考えにくいです。

軍用地投資の自然災害リスク

沖縄の自然災害リスクが低いのですから、軍用地投資もコインパーキング投資と同様にローリスクです。

米軍が、極東戦略のために沖縄に基地を構えているのも、自然災害のリスクが低いことが理由の一つとなっています。

軍用地には米軍が基地を構えているのですから、台風をはじめとする自然災害によって少々の被害が生じたとしても、 米軍の管理によって対処してもらうことができ、土地の所有者に一切のリスクはありません

結論:どちらかと言えば軍用地投資の方が優れている

どちらも、自然災害のリスクを危険視する必要はほとんどありません。

しいて言えば、 台風の影響などでコインパーキングの精算機や看板などが破損する可能性がある分だけ、コインパーキング投資のほうがリスクが高いと言えるでしょう。

したがって、自然災害リスクで優れているのは軍用地投資です。

コスト面の比較

投資による最終的な収益を把握するためには、表面的な収益からコストを差し引き、実質的な収益を考慮しなければなりません。

コスト面の優劣も重要な要素です。両者をコスト面で比較してみましょう。

コインパーキング投資のコスト面

コインパーキング経営は、賃貸経営に比べて圧倒的にランニングコストが低いです。

賃貸経営であれば、入退去に伴う原状回復、設備の修繕、管理会社への手数料、不動産業者への広告料、地震保険や火災保険など、様々なコストを負担する必要があります。

しかし、コインパーキング経営ではそのような費用が発生することがありません。

考えられるコストとしては、

  • 初期投資としての設備導入コストなど
  • 長期にわたって経営するうちに発生する、駐車場設備更新のためのコストなど
  • 固定資産税などの税金

などがありますが、それ以外にはこれといってコストと言えるものがありません。

軍用地投資のコスト面

軍用地投資も、ランニングコストは非常に低いです。

考えられるコストと言えば、

  • 固定資産税などの税金
  • 地主会に加入した場合に支払う会費(借地料の0.3%)

がありますが、このほかにコスト負担はありません。

結論:軍用地投資の方がランニングコストが低い

両者ともにランニングコストの低さがメリットとなっていますが、比較してみると軍用地投資のほうがより低いコストで運用することができます。

コインパーキング投資では、初期投資にある程度の費用がかかるほか、設備の更新コストもいくらか必要です。

さらに、後述の通り、コインパーキングの固定資産税は割高です。

これに対し、軍用地投資のコストは割安の固定資産税とわずかな地主会の回避くらいであり、コインパーキング投資よりも安く抑えることができます。

収益性の比較

次に、投資効率を左右する収益性を比較してみましょう。

コインパーキング投資の収益性

コインパーキング投資は、収益性で優れているといわれます。

コスト面での負担が少ないことから、利益率が高く、さらにほったらかしにしていても収益が得られるからです。

もちろん、 しっかりと需要があるエリアでなければ、収益性は低くなってしまいます

この点をクリアするかどうかによって収益性は大きく左右され、一概に収益性の良しあしを断定することはできません。

また、コインパーキングの収益は周辺環境に依存するため、周辺環境の変化によって収益性が大きく変わります。

したがって、長期的に収益の安定性を期待するのは困難です。

軍用地投資の収益性

軍用地投資の収益性も、ある意味では高く、ある意味では低いと言えます。

軍用地投資の最近の利回りは、2~3%程度と言われています。

軍用地を購入すれば、この 利回りが半永久的に得られるローリスクな投資です。

ローリスクな投資であることを考えれば、収益性はかなり高いと言えます。

さらに、軍用地の借地料は年々増額されています。

長期的に保有し続けることで利回りや土地の価値が上昇していくため、 投資期間が長いほど収益性が高まることにも注目すべきです。

しかし、2~3%の利回りでは、いくら安定しているとはいえ、短期間で大きな収益につながるような「高利回り」とは言い難いでしょう。

だからこそ、軍用地の収益性はあくまでもミドルリターンと考えるべきです

結論:両者ともに一長一短

以上のことから、収益性は両者ともに一長一短であることがわかります。

正しく投資できた場合には、コインパーキング投資のほうが収益性は高くなります。

しかし、その前提がなければ収益性は低く、またコインパーキングの収益性は周辺環境に左右されるため、高収益が長期的に維持される保証はありません。

したがって、短期的な収益性を考えるならば、コインパーキング投資のほうが収益性は高い場合も十分にあるけれども、 長期的な収益性を考えるならば、軍用地投資のほうが収益性は高いと言えるでしょう。

投資家のスタンスによって優劣の見方が変わるので、これは引き分けとします。

税制面の比較

投資の収益から差し引かれる税金についても比較しておきます。

コインパーキング投資の税制面

コインパーキング投資は、税制面で不利な条件となっています。

なぜならば、コインパーキングは非住宅用地に分類されるため、課税標準額が高くなり、固定資産税も高くなるからです。

これが賃貸経営であれば住宅用地に分類されるため、200㎡以下であれば課税標準額が1/6、200㎡超であれば課税標準額が1/3となる特例があります。

このことから、 コインパーキング投資は不動産投資の中でも、税制面で劣っていると言えます。

軍用地投資の税制面

軍用地投資は、税制面でも優れています。

まず、軍用地では借地権割合を考慮して課税標準額を算出することから、固定資産税が通常の土地よりも低くなります。

また、軍用地を国に売却して売却益を得た場合には、 5000万円までの譲渡所得税控除が受けられます。

さらに、相続税評価でも優遇されており、 固定資産税評価額から40%を減額したものが相続税評価額となります。

このため、相続税対策でも大きなメリットがあるのです。

結論:軍用地投資の方が優れている

両者の税制面を比較すると、軍用地投資のほうが圧倒的に優れています。

コインパーキングでは、 高収益で運営しているならば税制面でのデメリットを十分にカバーできるでしょうが、 そうでない場合には税負担が重く、収益を圧迫する可能性があります。

しかし、軍用地投資は税金の負担が軽く、相続税対策にも顕著な効果が認められるのです。

競合リスク

最後に、不動産投資では無視できない競合リスクについて考えてみましょう。

競合リスクとは、同じエリアに、同じターゲットを狙う物件が出現することで、客の取り合いや値下げ競争が起きてしまうリスクです。

コインパーキング投資の競合リスク

コインパーキング投資では、競合リスクが非常に大きいです。

現在、コインパーキング事業には大手企業もたくさん参入しており、観光客からの需要も見込める沖縄でコインパーキング事業を始めるケースも増えています。

このため、よいエリアでコインパーキング投資を始め、高利回りで運用していたとしても、近隣に新しいコインパーキングがオープンし、競合に巻き込まれる可能性があります。

個人でコインパーキング経営をしているところに、 大手企業のコインパーキングがオープンすれば、かなりの苦戦を強いられるでしょう。

例えば、個人で小規模なコインパーキングを経営していたところへ、大手企業の大規模なコインパーキングがオープンするような状況です。

そのエリアに需要があったとしても、小規模で駐車しづらいコインパーキングよりも、大規模で駐車しやすいコインパーキングのほうに停めるのが普通ですから、客を取られてしまう可能性が高いです。

さらに、大手が資金力にものを言わせて、駐車料金を大きく下げて潰しにかかってくるかもしれません。

個人の資金力では、このような値下げ競争に勝てるはずもなく、撤退に追い込まれてしまいます。

軍用地投資の競合リスク

軍用地投資では、競合リスクがゼロです。

なぜならば、すべての軍用地に対して、 日本政府がきちんと借り上げ、借地料を支払ってくれるからです。

このため、競合が起こることはありません。

投資するエリアの需要や、投資する人の資金力などに左右されることはなく、いつまでもストレスなく投資しし続けることができます。

結論:軍用地投資の方が圧倒的に優れている

コインパーキング投資で競合リスクを避けるためには、大手が新規に参入してこないニッチなエリアを選ぶ必要があります。

そのような土地を都合よく買える可能性は低いですし、収益性が犠牲になることも十分に考えられます。

競合リスクが高いコインパーキング投資と、競合リスクがゼロの軍用地投資を比較すれば、言うまでもなく軍用地投資のほうが優れています。

まとめ:コインパーキングよりも軍用地に投資を

以上の比較内容をまとめると、

  • 始めやすさでは軍用地投資の方が優れている
  • 自然災害リスクでは両者ともにほぼ同程度で、軍用地投資にややメリットあり
  • コスト面では軍用地投資が優れている
  • 収益性では短期的にはコインパーキング投資のほうが優れている場合があるものの、長期的には軍用地投資のほうが優れている
  • 税制面では軍用地投資のほうが圧倒的に優れている
  • 競合リスクでは軍用地投資のほうが圧倒的に優れている

という結果になりました。

コインパーキングも、始めやすさや自然災害リスクの低さ、コスト面などで優れていると言われるものの、軍用地投資と比べれば劣ります。

また、コインパーキング投資では高収益を期待できる場合もあるものの、そのための土地の選定の難しさが問題になるほか、競合リスクの高さから高収益を維持することが困難です。

したがって、 ローリスクで、長期的に安定した収益を得られる軍用地投資のほうが、コインパーキング投資よりも優れていると言えるでしょう。

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