「20億人マーケットの観光地」沖縄県ではコンドミニアム投資もおすすめ
沖縄県は、日本の観光地の中でも非常に高い人気を誇っており、外国人観光客の約10%は沖縄を訪れています。
2017年には、外国人観光客数でハワイを追い抜き、観光客数を増やす段階から、観光収入を増やす段階に移ろうとしています。
これに伴い、 沖縄県ではリゾート開発が盛んに行われています。ここにも、沖縄不動産投資の余地があります。
本稿では、今後も観光産業が伸びていく沖縄県における、 コンドミニアム投資について解説していきます。
目次
外国人観光客数「第8位」を誇る人気の沖縄
沖縄県は、日本人にとっても観光地として有名かつ人気です。国外でも沖縄県の人気は高く、日本に訪れる外国人観光客が年々増加しており、経済に与える影響も高まっています。
2017年の統計では、外国人観光客数は約2869万人となっています。このうち、 実に10%弱にあたる約254万人が、沖縄県に訪れています。
日本全国で見た場合、外国人観光客数は第1位が東京都、第2位が大阪府、第3位が千葉県、第4位が京都府、第5位が福岡県、第6位が神奈川県、第7位が北海道、そして 第8位が沖縄県となっています。
沖縄県は、経済的な発展が遅れており、県民所得は全国で最も低い都道府県です。県内名目GDPは、国内名目GDPの約1%程度に過ぎません。その沖縄県が、 外国人観光客の10%弱を呼び込む集客力を持っているのです。
アジア圏から人気は絶大である
沖縄県は、特にアジアの観光客から人気です。観光客の国籍を見ても、 台湾、韓国、中国、香港の4地域が80%以上を占めています。
沖縄県は、アジア圏の人にとって訪問しやすい位置にあります。
沖縄から半径4000㎞以内に、中国、台湾、韓国、東南アジア諸国などを含んでおり、その範囲内でカバーされる人口は20億人を超えます。いわば 20億人のマーケットの中心に位置しているのです。
これは、米軍基地が沖縄に集中している理由でもあります。極東戦略では、沖縄が最も適した位置にあるのです。
今後も観光客数は衰えず伸びる可能性が高い
沖縄に来た外国人観光客の目的は、都市の観光、自然観光、沖縄料理、ショッピング、歴史観光が多くを占めており、マリンレジャーを目的としている人は30%以下です。
このような目的の意外性は、世界的なニーズの変化を思わせます。単にマリンレジャーを目的とするならば、沖縄である必要はありません。ハワイ、グアム、バリ島、セブ島など、海がきれいな島は他にもたくさんあります。
しかし、マリンレジャーはそれほど求めず、観光やショッピングによって日本を感じたいと考える人が多くなっているのです。
ハワイと比較してみると、ハワイの観光客は毎年4~5%伸びているのに対し、沖縄県の観光客は毎年10%弱の伸びを見せています。そして2017年には、 沖縄県の観光客数がハワイの観光客数を上回る結果となりました。
もちろん、観光客数だけでハワイと沖縄県を比べることはできません。平均滞在期間を比べてみても、沖縄県の3.78日に対してハワイは8.95日となっています。
これは、沖縄県を訪問する観光客の多くが、距離的に近いアジアからの観光客であり、交通費も安く、「ちょっと沖縄に旅行にいこう」という動機で訪問することができるためです。
一方、ハワイは太平洋のど真ん中にあり、どこから訪問するにしてもそれなりに交通費がかかり、行くからにはできるだけ長く滞在したいと考えます。だからこそ、 沖縄とハワイでは滞在期間に大きな差が表れるのです。
滞在中に使うお金は、滞在期間に大きく左右され、観光収入に影響を与えます。観光客が滞在中に使うお金を比較してみると、沖縄県は7万5000円であるのに対し、ハワイは19万6000円です。
1日当たりの消費金額を比較してみても、 沖縄県は19841円、ハワイは21899円と、僅差で負けています。
このように、観光客数でハワイを上回ったところで、そこから発生する観光収入では、まだまだハワイに及びません。
沖縄県の観光客数の伸び率は高く、今後はもっと観光客が増えるでしょう。人数とともに消費も高めるべく、沖縄県では色々な取り組みが行われています。実際、リゾート開発なども盛んに行われています。
マリンレジャー以外に多くの魅力があり、リゾート開発も行われ、アジアの人々にとって「日本で最も近い場所」である沖縄県には、今後も外国人観光客は増えていくでしょう。
さらに、東南アジア諸国は経済的に急成長を遂げており、ゆくゆくは豊かになった人々が海外旅行を楽しむことも増えていきます。
このとき、沖縄県を旅行先に選ぶ人も多いでしょう。世界経済レベルで考えても、今後も沖縄の外国人観光客は増え続けるはずです。
コンドミニアム投資を考える
沖縄県の観光産業の盛り上がりは、今後も長期的に続くことが期待できます。このため、沖縄不動産投資では賃貸不動産投資を基本と考えつつも、リゾート開発に関する投資も検討する価値があります。
都市部の単なる再開発では、不動産デベロッパーが進めていくため、個人投資家が入り込む余地は少ないものです。しかし、リゾート開発では個人でも投資できるケースがあります。コンドミニアム投資は、その代表的な例です。
コンドミニアム投資とは?
コンドミニアムとは、本来の意味は単純に「分譲マンション」のことですが、最近ではもっぱらリゾート地の分譲ホテルを指すようになっています。このようなコンドミニアムのことを、正式には「 ホテルコンドミニアム」と言います。
コンドミニアム投資では、購入したコンドミニアムを管理会社に貸し出し、オーナーが使っていないときにホテルの客室として運用し、売上の一部を受け取ることができます。
例えば、オーナーが沖縄県に毎年30日間滞在し、その際にコンドミニアムを自分で利用するならば、 残る355日をホテルの客室として運用するのです。
また、契約内容によっては、オーナーは一切利用することなく、客室としての運用だけに使い、より多くの収益を目指すことも可能です。
そのエリアのリゾートホテルに需要さえあれば、コンドミニアムは客室として利用され、宿泊費が発生します。
通常、 売上の40%がオーナーの取り分、60%が管理会社の取り分となります。オーナーの取り分は、年4回に分割して支払われます。
なお、オーナーに支払われる売上の中から、管理費や固定資産税といった経費を支払う必要があるため、売上の40%が丸ごと利益になるわけではありません。
しかしながら、沖縄県の観光産業の盛り上がりを考えるならば、コンドミニアムの稼働率は高いレベルに維持できる可能性があります。
予約受付などのホテル業務は全て代行してもらいつつ、間接的にホテル経営から収益が期待できるため、オーナーが手間をかけて投資の成果を高めていく必要もありません。
コンドミニアム投資の利回り稼働率に大きく依存
コンドミニアム投資の利回りは、表面利回りで5~6%が一般的です。沖縄のような南国での観光需要にはオフシーズン・オンシーズンがあり、稼働率や宿泊費は季節によって変動します。
また、宿泊費や稼働率は、購入するコンドミニアムの立地や築年数、間取りなどにも左右されるため、一概にいくらとは言えません。
仮に、
- オン・オフシーズンを通じた一泊当たりの平均宿泊費:2万5000円
- コンドミニアムの購入価格:3500万円
- 年間の平均稼働率:70%
- 客室としての運用日数:年間330日
とするならば、年間の売上は557万5000円となり、この40%に当たる 231万円がオーナーの取り分となります。表面利回りは6.6%です。
年間経費率を7%と仮定すれば、 オーナーの取り分は約215万円、実質利回りは6.1%となります。
なお、沖縄県の観光産業の拡大を背景に、コンドミニアム投資の人気は高まっています。このため、今後は徐々に物件取得価格が高くなり、相対的に利回りが低くなることも考えられます。
もっとも、その流れに乗っていれば、利回りが下がったとしても安定した収益は得られますし、売却の際には取得時よりも高く売れる可能性が高いため、 トータルでは十分に投資する価値があると言えます。
利回りが上がる場合をシミュレーション
上記の計算からも分かりますが、コンドミニアムの利回りは稼働率に大きく依存します。したがって、以下のような流れで利回りが高まることもあります。
一年中運用した場合
オーナーが客室を利用する場合にオンシーズンを避けたり、オーナーは利用せずに一年中運用することによって、利回りを高めることが可能です。
上記と同じ条件で、365日全て運用した場合には、年間の売上は638万7500円となり、この40%に当たる255万5000円がオーナーの取り分となります。表面利回りは7.3%、実質利回りは6.8%となります。
人気が高まった場合
もちろん、今後沖縄県への観光客がさらに増え、宿泊費が高くなったり、稼働率が上がったりすれば、利回りは大きく高まります。
例えば、
- オン・オフシーズンを通じた一泊当たりの平均宿泊費:3万円
- コンドミニアムの購入価格:3500万円
- 年間の平均稼働率:80%
- 客室としての運用日数:年間330日
という条件になった場合、年間の売上は792万円となり、この40%に当たる316万8000円がオーナーの取り分となります。
表面利回りは9%、実質利回りは8.4%となり、沖縄不動産投資としてはかなり魅力的な利回りとなります。
コンドミニアムの所有権はオーナーにあり、室内に工夫を施すことも可能です。
実際、コンドミニアムに家具や家電を導入し、長期滞在に便利な部屋にしておき、宿泊費が高まったり滞在期間が長くなったりするように工夫し、利回りを高める投資家もいます。
利回りが下がるきっかけ
もちろん、今後有望なリゾート地のコンドミニアムに投資しても、その後の動向によっては利回りが下がることもあります。
沖縄の観光需要が鈍化した、周辺にホテルが建築されることで景観が失われた、自分のコンドミニアムが陳腐化した、他のエリアのリゾートに観光客を奪われたなど、色々なきっかけが考えられます。
しかし、これはコンドミニアム投資に限らず、不動産投資全般に言えることです。
長期的な需要が見込めるエリアのコンドミニアムに投資すれば、長期的に安定した収益が期待できますし、ここで間違いがあれば利回りが低下するリスクは高まります。
もっとも、沖縄県の観光産業が伸び続けていること、観光客数が増え続けていること、今後もその流れが続くと考えられることなどから、コンドミニアム投資は ハイリスクな投資ではなく、高い安定性が見込める投資であると思います。
まとめ
観光産業が爆発的に伸びている沖縄県では、今後も観光客数や観光収入が伸びていくでしょう。これに伴い、コンドミニアム投資の注目も高まっています。
これまでは、コンドミニアムといえばハワイでの投資がよく知られてきましたが、これからは沖縄県もコンドミニアム投資の対象になっていくでしょう。
沖縄不動産投資の魅力は、賃貸不動産投資だけではありません。コンドミニアム投資にも視野を広げてみてはいかがでしょうか。