買うべきは米軍基地!さらに「種別」をチェックすれば投資効率がアップする

軍用地の購入にあたって、できるだけ利回りの高い軍用地を買いたいと思う人は多いと思います。

しかし、長期的に運用した場合の借地料の上昇率、リターンの上昇率、価値の上昇率などを考慮しておくことが大切です。

様々な観点から、投資効率の高い軍用地を購入するためには、軍用地の「種別」に注目して投資しましょう。

本稿では、 種別による投資効率の違いについて、具体的にみていきましょう。

買うべき軍用地は米軍基地

一口に「軍用地投資」と言っても、購入できる軍用地には「米軍基地用地(米軍が利用している軍用地)」と「自衛隊基地用地(自衛隊が利用している軍用地)」の二種類があります。

このうち、積極的に投資すべきは米軍基地用地です。

なぜならば、米軍基地用地は自衛隊基地用地に比べて、 借地料の上昇率が高いからです。

このことについては、当サイトの別記事で詳細に比較しています。

借地単価は米軍基地用地のほうが借地単価は低いものの、利回りでは大きな差はありません。

しかし、年々増額されている借地料の上昇率を比較してみると、平成18年から27年の10年間で、米軍基地用地の上昇率は約12.38%、自衛隊基地用地の上昇率は約7.54%となっており、 米軍基地用地のほうが投資効率が良いことが分かります。

したがって、基本的に買うべき軍用地は米軍基地用地と言えるのですが、米軍基地用地といっても様々なエリアの軍用地があります。

そこで、米軍基地用地の中でも、特にどこに投資すべきかを知っておく必要があります。

米軍基地用地の中でも投資効率の良い軍用地を選ぶ

ここでも、借地料の上昇率が重要となります。

米軍基地用地と自衛隊基地用地の間で借地料の上昇率が異なるように、米軍基地用地の中でも軍用地によって借地料の上昇率が異なるのです。

当然、借地料の上昇率が異れば、軍用地の資産価値にも差が出てきます。

なぜならば、軍用地の価値は借地料を得られることにあり、 借地料がより多く得られる軍用地ほど価値が高くなるためです。

この時、参考となる資料が、毎年沖縄防衛局から送られてくる(地主会に加入している場合には地主会からも送られてくる)「土地賃借料算定調書」というものです。

この資料には、自分が所有している軍用地の基本情報(所在地、地目、面積、種別、1㎡あたりの単価、年間の借地料)などが記載されています。

もちろん、土地賃借料算定調書は、軍用地を購入する前の段階でも、不動産業者から取り寄せることができます。

選ぶべきは「宅地見込み地」

土地賃借料算定調書の情報のうち、特に注目すべき情報は「種別」です。

種別とは、土地の利用状況や現状によって、その土地を農地、林地、宅地見込み地、宅地などに分類するものです。

積極的に購入したい軍用地は、この種別が 「宅地見込み地」になっている土地です。

そもそも、種別における「見込み地」とは、 ある種別から別の種別へと転換しつつある地域のことです。

例えば、林地地域から宅地地域へと転換しようとしている土地は、宅地見込み地に分類されます。

今は山林とみなされている土地でも、周辺が住宅地に適していたり、実際に住宅が増えていたりすれば、宅地見込み地となります。

当然ながら、林地から宅地への転用が可能なのですから、実際に周辺が開発の対象となる可能性も高く、 地価の上昇も見込めるということです。

もちろん、その土地が軍用地である以上、政府に借りてもらって借地料を得ることができる代わりに、地主の一存でその土地を勝手に利用することはできません。

つまり、宅地としての利用も見込まれている活用しやすい土地でありながら、軍用地であることによって地主が自由に利用できないため、政府は高めの借地料で補償してくれます。

借地料や土地の価値の値上がりもハイペースになります。

なお、種別が「宅地」となっている場合には、宅地見込み地よりも借地料単価が高くなります。

しかし、 借地単価が高ければ購入価格も高くなるため、宅地見込み地よりも長期的な運用の成果が落ちる傾向にあります。

安く購入することができ、投資効率も高い軍用地を購入するためには、宅地見込み地を狙うべきなのです。

無視した場合と選別した場合の比較

このことは、種別を気にせず年利2%の軍用地(借地料の上昇率は1%)を購入した場合と、宅地見込み地を狙って年利2.5%の軍用地(借地料の上昇率は1.5%)を購入した場合を比較すればよくわかります。

(どちらも購入価格は1000万円、30年間運用、軍用地倍率(軍用地の価格を決めるために用いられる、エリアごとに決められた倍率)は48倍と仮定)

この比較により、以下のようにはっきりと差が出ていることが分かります。

種別を無視した場合

種別を気にせず年利2%の軍用地を購入した場合には、以下の表のような結果となります。

(単位:万円)
借地料
1年目 20.0
2年目 20.2
3年目 20.4
4年目 20.6
5年目 20.8
6年目 21.0
7年目 21.2
8年目 21.4
9年目 21.7
10年目 21.9
11年目 22.1
12年目 22.3
13年目 22.5
14年目 22.8
15年目 23.0
16年目 23.2
17年目 23.5
18年目 23.7
19年目 23.9
20年目 24.2
21年目 24.4
22年目 24.6
23年目 24.9
24年目 25.1
25年目 25.4
26年目 25.6
27年目 25.9
28年目 26.2
29年目 26.4
30年目 26.7

30年目における借地料の上昇率は、次のとおりです。

(26.7万円-20.0万円)÷20.0万円×100=33.5%

また、購入価格に対する利回りは、2.00%から2.67%へと0.67%の上昇となっています。

そして、30年目の軍用地の価格は、「26.7万円×48=1281.6万円」となり、上昇率は次の通りになります。

(1281.6万円-1000万円)÷1000万円×100=28.16%

宅地見込み地を狙った場合

一方、宅地見込み地を購入し、年利2.5%で運用した場合には、以下の表のような結果となります。

(単位:万円)
借地料
1年目 25.0
2年目 25.4
3年目 25.8
4年目 26.1
5年目 26.5
6年目 26.9
7年目 27.3
8年目 27.7
9年目 28.2
10年目 28.6
11年目 29.0
12年目 29.4
13年目 29.9
14年目 30.3
15年目 30.8
16年目 31.3
17年目 31.7
18年目 32.2
19年目 32.7
20年目 33.2
21年目 33.7
22年目 34.2
23年目 34.7
24年目 35.2
25年目 35.7
26年目 36.3
27年目 36.8
28年目 37.4
29年目 37.9
30年目 38.5

30年目における借地料の上昇率は、次のとおりです。

(38.5万円-25.0万円)÷25.0万円×100=54.0%

購入価格に対する利回りも、2.50%から3.85%へと1.35%の上昇となっており、前者よりも高い上昇率になっていることが分かります。

そして、30年目の軍用地の価格は、「38.5万円×48=1848万円」となり、上昇率は次の通りになります。

(1848万円-1000万円)÷1000万円×100=84.8%

前者よりも大きく高まっていることが分かります。

このように、種別を意識して投資することによって、長期の運用の結果は大きく変わってきます。

軍用地投資は長期投資を前提に取り組むのですから、種別を意識して取り組むことが重要です。

まとめ

軍用地を購入する際には、米軍基地用地を優先して検討することに加えて、土地賃借料算定調書の種別をしっかりとチェックするようにしましょう。

その上で、宅地見込み地となっている軍用地を購入することができれば、長期的な運用の成果を高めることができます。

もちろん、このような軍用地は人気が高いため、買い付けることは難しいと思います。

しかし、宅地見込み地を狙ったほうが、長期的な投資の成果を大きく高めることができるので、意識しておくに越したことはないでしょう。

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