競争の激しい軍用地投資だからこそ、手間暇かけて情報を収集しよう!

軍用地は魅力的な投資先ですが、購入は容易ではありません。

軍用地の数は限られており、むしろ返還などによって面積は次第に縮小しています。

また、資産として優れているため、売りたいと考える軍用地主が少ないことからも、軍用地の買付が難しくなっているのです。

軍用地を購入するためには、ともかくたくさんの情報を集め、購入のチャンスを増やしていくことが重要です。

本稿では、 手間暇かけて情報を収集し、他の投資家と大きく差をつける方法を紹介していきます。

他の投資家と差をつけるには?

軍用地投資の成否を大きく分けるのは、情報量です。

これは、一般の不動産投資でも同じです。

多くの情報を集め、より良い物件に投資するチャンスを増やすことで、優良物件を手に入れ、多くの収益をあげられる可能性が高まります。

軍用地投資は、需要が供給を大きく上回っています。

投資対象として非常に優れていることから、売ろうとする人は少ないため、売却情報があまり出回りません。

一方、買いたいと思っている人は多く、少ない情報に多くの投資家が殺到するため、競争が激しいのです。

売却情報が出ると、数時間のうちに買い手が決まってしまうことも珍しくありません。

このことから、軍用地投資は、一般の不動産投資以上に情報収集が重要となります。

様々な媒体を情報源とし、他の投資家よりも多くの情報を収集してこそ、軍用地に投資する機会も得られるのです。

ただし、 インターネットなどから簡単に得られる情報を収集しているだけでは、なかなか買うことはできません。

不動産総合サイトや、地元不動産業者のホームページなどは簡単にチェックでき、県内外の投資家が常にチェックしていることから、それを元に購入を図っても、一番に買付を入れることは困難です。

したがって、 激しい競争に勝ち抜いていくためにも、他の投資家が得られない情報も積極的に集めていくことが重要です。

具体的には、

  • 地元の軍用地買い取り専門業者に聞き込みをする
  • 地元の不動産仲介業者に聞き込みをする

といった方法が効果的です。

手間をかけて情報を集めよう

このような情報収集は、骨が折れます。

特に、 県外から軍用地投資を検討している人は、手間はかける余裕がないものです。

しかし、 だからこそ多くの投資家が実践しておらず、情報収集において優位に立てる方法でもあります。

地道に情報を集めていれば、インターネットなどで公表する前の段階で、情報の提供を受けられる可能性があります。

軍用地を売る不動産業者としても、インターネットや新聞などに情報を掲載すれば手数料がかかりますし、殺到する買い手をさばく手間もかかります。

普段から 地道に情報を集めている、買付に意欲的な人がいれば、その人に打診したほうがスムーズに売ることができ、不動産業者にとっても都合が良いのです。

軍用地を取り扱っている不動産業者には2種類あり、

  • 軍用地主から軍用地を買い取り、転売している不動産業者
  • 売主の依頼によって、軍用地の売却を仲介している不動産業者

があります。

前者では、不動産業者から直接購入するのに対し、後者では不動産業者を介して売主から購入することになります。

地元の軍用地買い取り専門業者に聞き込みをする

まず、軍用地買い取り専門業者へのアプローチから見ていきましょう。

この方法は、軍用地の買い取り専門業者に電話したり、実際に店舗を訪問したりすることによって、軍用地情報を収集するものです。

このような業者は、軍用地主から軍用地を安値で買い取り、転売によって差益で儲けています。

軍用地の価格は、年間の借地料に相場の倍率をかけて算出します。

相場の倍率とは、その軍用地の競争率のようなもので、返還後に大幅な値上がりが期待できる軍用地や、返還の見通しがなく長期にわたって借地料を得られる軍用地は、高い倍率で取引されます。

買い取り専門業者は、売却を希望する軍用地主から、相場よりも低い倍率で買い取り、相場の倍率で売ることによって利益を得ているのです。

普通に考えると、仲介業者を利用して売れば相場の倍率で売ることができるのですから、軍用地主が買い取り専門業者に売るのは不自然にも思えます。

しかし、 軍用地主の中には、相場より低い価格であっても、あえて買い取り専門業者に売る人が少なからず存在します。

これは、

  • こっそり売却できること
  • スピーディに売却できること

が理由によるものです。

こっそり売却できる

沖縄では、軍用地主は難しい立場に置かれています。

昔であれば、軍用地主は「敗戦後に米軍から土地を強制的に奪われた人」であり、戦争の犠牲者でした。

しかし、 軍用地から借地料を得られるようになり、それが毎年のように増額されていることによって、次第に軍用地主は妬まれることも多くなりました。

軍用地主=富裕層と見られることも多く、軍用地を持っていることが分かれば妬まれるだけではなく、親族や知人から金銭を無心されることもあります。

もちろん、軍用地が高額で売買されることは多くの人が知っているため、これも妬まれたり、金銭トラブルにまきこまれたりするきっかけになることがあります。

このため、 軍用地を持っていることを隠したい、売却を知られたくないと考え、こっそり売ろうとする軍用地主が多いのです。

仲介専門業者に依頼すると、売却情報を公開し、買い手を探す必要があるため、軍用地主であることを隠したいと思っている人には不向きです。

買い取り専門業者に依頼すれば、秘密厳守で買い取ってもらうことができます。

その為、多少安い価格で売ることになっても、こっそり売りたい人にとっては都合が良いのです。

スピーディに売却できる

また、 買い取り専門業者に売却すれば、スピーディに売ることができます。

多額の現金を早急に必要としている人にとって好都合です。

例えば、軍用地を相続した人は、被相続人の死亡の翌日から10ヶ月以内に、現金で相続税を納付する必要があります。

10ヶ月もあれば、仲介業者に依頼しても問題なく売却できるでしょうが、すぐに売却できないこともあります。

仲介業者に依頼すれば、仲介業者が資料をまとめて売却情報を公開するまでに時間がかかります。

公開してすぐに買付希望者が集まったとしても、買付希望者が金融機関に融資の手続きをするための時間が必要です。

一番手の希望者が融資を受けられなければ二番手以降に交渉権が渡りますが、そこでも再び融資などの手続きに時間を要します。

軍用地はすぐに買い手が見つかることが多く、一般の不動産よりも早く売れるとはいえ、それなりに時間がかかるものなのです。

もし、相続トラブルなどで時間がかかり、納付期限が迫っている場合などであれば、すぐに売却できる買い取り専門業者を利用するのがベストです。

これも、 軍用地主が買い取り専門業者を利用する理由となっています。

買い取り専門業者の特徴

買い取り専門業者から買うメリットは、業者自体が売主になるため、仲介手数料がかからないことです。

仲介業者に依頼すれば、物件価格の3%程度の仲介手数料がかかります。

買い取り専門業者を利用すれば、仲介手数料を削減することができ、取得価格に対する利回りも高くなります。

ただし、 買い取り専門業者が相場より高い売値を設定することもあるため、仲介手数料がかからないとしても、必ずしも安く買えるとは限りません。

仲介業者は仲介によって儲けているため、売主と買主が納得して取引できるよう、あくまでも相場通りの価格で仲介し、成約件数を伸ばすことで利益を積んでいきます。

これに対し、買い取り専門業者は自分が売りたい価格で売ることができ、高く売るほど利益が多くなるため、できるだけ高値で売ろうと考えます。

これによって、相場より高くなることもあるのです。

ただし、 軍用地の買付は難しいため、提示価格が高いからと言って、そこで逃してしまえば買えない期間が長引く可能性があります。

また、今後も軍用地価格は高くなっていくと考えられています。

交渉時点で相場より少々高いとしても、それを見送って購入が遅れてしまえば、次回の購入時にはもっと高くなっている可能性もあります。

したがって、メリットとデメリットをトータルで考えてみれば、相場より少々高いくらいであれば買うという判断も十分に成り立つでしょう。

地元の不動産仲介業者に聞き込みをする

次に、地元の不動産仲介業者にアプローチする方法も効果的です。

この方法では、軍用地の取引を仲介している不動産業者に電話したり、訪問したりすることで情報を収集します。

不動産仲介業者は、不動産総合サイトや自社ホームページに軍用地情報を掲載し、買い手を募る業者も多いのですが、そのような手法に頼らない業者もあります。

特に、 地域密着の老舗業者の中には、不特定多数に売り込むのではなく、信頼できる優良顧客に優先して売るために、あえてインターネットを利用しないケースもあります。

このような老舗業者は、売主からの信頼も篤く、安心して売却を任せられるため、軍用地の仲介もしばしば取り扱っています。

老舗業者とのつながりと作ることができれば、インターネットでは得られない軍用地情報が得られる可能性が高まります。

アプローチの方法とコツ

アプローチの方法とコツは、以下の通りです。

電話でのアプローチ

 

軍用地買い取り専門業者は、琉球新報や沖縄タイムスといった地元紙を見ると、簡単に見つけることができます。

買い取り専門業者は、地元紙の不動産広告欄に「軍用地買い取ります!」といった広告を掲載し、売却希望者を募っているからです。

そのような広告には、当然ながら買い取り専門業者の連絡先も載っています。

そこに直接電話をかけてみて、

「軍用地を買いたいと思っているのですが、物件はありますか?」

と聞いてみましょう。

タイミングよく電話することができ、購入できれば万々歳です。

仲介専門業者に対しては、不動産総合サイトや自社ホームページに情報を掲載している業者を見つけ、電話で聞き込みをすることが考えられます。

しかし、 そのような業者は軍用地情報を公表し、広く買い手を募るスタイルを基本とするため、聞き込みをしても購入に結び付かないことも多いです。

どちらの業者でも、 電話しただけでは買えないことも多いですが、購入を希望していることを伝え、つながりを作ることができます。

くり返し相談していれば、その業者が軍用地を取り扱うことになったとき、売却を持ち掛けてくれるかもしれません。

対面でのアプローチ

電話でアプローチする以上に、実際に訪問し、対面でアプローチする方法が効果的です。

特に、 インターネットをあまり使っていないような、地域密着の老舗業者を中心に訪問し、相談するのがよいでしょう。

県外から投資を検討している人にはハードルが高いですが、それだけに 他の投資家と大きく差をつけることができます。

文字通り、 自分の足で軍用地を探して回る地道な作業ですが、信頼を重んじる老舗業者ほど、電話だけで顔も見ずに相談する人よりも、実際に訪問して相談してくれる人を信頼します。

信頼が芽生え、優良顧客と認識されれば、お買い得物件情報を優先的に教えてもらえることがあります。

アピールのコツ

電話や訪問によって情報を集める際には、 単に買いたいことを伝えるだけではなく、アピールすることが重要です。

物件情報が得られなかったとしても、電話の後に希望する物件の情報についてFAXを送ったり、同様の情報をまとめた資料を持参して訪問したりすることでアピールするのです。

このとき、 どれくらいの価格であれば買えるのか、どのエリアの軍用地を希望しているのかといった情報を伝えるようにします。

また、現金で購入できることは強みになるので、現金で購入できるならばその旨を伝えることで、優良顧客として印象付けることができるでしょう。

同様に、金融機関から融資を受けられる可能性が高いといった情報もアピールになります。

例えば、

○○エリアの軍用地を買いたいと思っています。○○エリアの軍用地ならば、●●万円まで現金で購入できます。それ以上の物件でも、◎◎銀行から融資の内諾ももらっていますから、△△万円まで購入可能です

といった伝え方をするのです。

不動産業者にとって、スムーズに売却できることは魅力的です。

後日、 伝えておいた条件に当てはまる軍用地を取り扱うことになれば、優先的に情報をもらえる可能性が高まります。

仲介専門業者に効果的なアピール

このほか、 仲介専門業者には長期的なメリットを提示することもアピールになります。

軍用地買い取り専門業者は、取り扱う物件は軍用地のみであり、取引が限定されます。

このため、軍用地の売買以上の付き合いになることは少ないです。

これに対し、 軍用地の取引を仲介している不動産業者は、軍用地以外の不動産も仲介していることがほとんどです。

軍用地の売買以外にも、様々な業務を通して利益を得ています。

このため、軍用地について聞き込みをする際には、

ただ「売り物件はありますか?」

と聞くだけではなく、

「軍用地を買いたいと思っています。購入した軍用地を売却する際には、その仲介もお願いしたいと思っています」

「今回は軍用地を買いたいと思っていますが、軍用地以外にも良い収益物件があれば投資したいと思っているので、アパートなどの紹介もお願い致します」

などと頼んでおけば、業者は、

「今回の購入だけではなく、将来の売却も任せてもらえるかもしれない(1回の仲介で2回目の仲介も獲得できるかもしれない)」

「軍用地を紹介すれば、アパートなどの仲介も任せてもらえるかもしれない(1回の仲介が、複数回の仲介につながるかもしれない)」

と考えます。

くりかえし利益をもたらしてくれる、リピート客を獲得できるのですから、そのような顧客に優先的に紹介したいと考える可能性は高いです。

ただ聞き込みをするだけならば、多くの人が実践しています。

業者にとっても「多くの見込み客の一人」でしかありません。

しかし、色々なアピールをすることで、

「スムーズに成約する可能性が高い優良顧客」

「より多くの収益をもたらしてくれる可能性が高い優良顧客」

として印象付けることができるのです。

地元の不動産業者にアプローチするならば、このようなアピールも積極的にしていきたいものです。

まとめ

軍用地を購入するためには、できるだけ知られていない情報をもとに、買付を進める必要があります。

地元の不動産業者にアプローチしておき、優先的に情報を回してもらうことができれば、もはや競合相手はおらず、資金さえ用意すれば買うことができます。

このように情報をあつめることは、時間も手間もかかります。

しかし、 時間と手間をかけずに取り組み、買えない期間が長引けば、その間にも軍用地価格は値上がりしていきます。

それよりも、 時間と手間をかけて地元不動産業者にアピールしていき、できるだけ早く購入するほうが、結果的に安く買うこともでき、投資効率は高まります。

ぜひ、手間を惜しむことなく、積極的に情報を集め、購入の機会を掴んでほしいと思います。

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