軍用地が長期投資に向いている理由とは?軍用地投資の複利効果を考える

軍用地投資には、リスクと言えるものがほとんど見当たらず、安定した借地料を得られることから、 長期投資に非常に適しています。

また、長期投資では複利効果も積極的に狙っていくべきですが、軍用地投資では大きな複利効果が期待できます。

なぜならば、 リターンの再投資による複利効果のほかに、長期的に借地料が上昇していくことでも複利効果が得られるからです。

本稿では、軍用地が長期投資に向いている理由と、軍用地投資の複利効果について解説していきます。

軍用地投資は長期投資

一口に投資と言っても、投資期間は様々です。

FXや株、仮想通貨などでは、数分や数時間で売買するスキャルピング、1日を目途に売買するデイトレードなどをやる人も多く、これを短期投資と言います。

  • 数日間
  • 数週間
  • 数ヶ月

での売買をスイングトレードと言い、これは短ければ短期投資に分類され、長ければ中期投資に分類されます。

このほか、 数年後を見据えて投資する長期投資もあります。

株式投資に短・中期投資としてのイメージを抱く人もいると思います。

ですが、配当金や株主優待を目的として、何年間も株を保有し続けるならば長期投資となります。

また、 不動産投資も長期投資になるのが普通です。

短期間で売買益を目指すこともありますが、一般的には長期的に保有して賃料で稼ぐ長期投資になります。

軍用地を購入し、政府から借地料を受け取る軍用地投資も、長期投資となります。

軍用地投資は、一般的な不動産投資と同様に長期投資になります。

しかし、投資期間は他の不動産投資よりも長くなるため、 超長期投資と言ってよいでしょう。

一般的な不動産投資でも、数年、数十年と保有し続けるのが普通です。

ですが、

  • 不動産の価値が高まったタイミングで売却
  • ポートフォリオを見直して投資効率を高めるために売却
  • 老朽化によって売却(あるいは解体)

したりするものです。

対象となる不動産に、永久に投資し続けることはありません。

しかし、軍用地投資は、よほどの理由がない限り手放すことはなく、長期的に保有し続けるのが普通です。

「よほどのこと」とは、どうしてもまとまった現金が必要になった場合であり、相続税の支払いのために売却するケースがしばしば見られます。

このように、 軍用地は特別な理由がない限り、保有期間を理由に売却することはありません。

日本政府が責任をもって借り上げ、借地料を支払ってくれるため、保有している限り永久に借地料が得られるのです。

軍用地はかなりの長期間にわたって、人によっては

親から子へ、子から孫へと代を重ねて、いつまでも保有していくものなのです。

軍用地投資の複利効果

さらに、軍用地は長期で持ち続ければ持ち続けるほど、投資効率が良くなります。

なぜならば、軍用地投資には複利効果が期待できるからです。

複利と単利の違い

まず、複利の意味から説明しておきましょう。

相対性理論のアインシュタインの言葉に、

人類最大の発明は複利である

という言葉があります。

人類は、

  • 言葉
  • 文字
  • 蒸気機関
  • コンピューター

など様々な発明をしていますが、複利はそれ以上の発明だというのです。

なぜ、複利がそれほど素晴らしいのでしょうか。

それは、

  • 元本に対してのみ金利が発生する「単利」

と、

  • 元本+金利に対して金利が発生する「複利」

では、一定のスピードで増える単利に比べて、雪だるま式に、加速度敵に増える複利は、長期的に大きな儲けにつながるからです。

例えば、100万円を投資して年間5%のリターンがあり、30年にわたって投資し続けたとき、単利と複利では以下のような結果となります。

(単位:万円)

単利の利益 複利の利益
1年目 5 5.00
2年目 5 5.25
3年目 5 5.51
4年目 5 5.79
5年目 5 6.08
6年目 5 6.38
7年目 5 6.70
8年目 5 7.04
9年目 5 7.39
10年目 5 7.76
11年目 5 8.14
12年目 5 8.55
13年目 5 8.98
14年目 5 9.43
15年目 5 9.90
16年目 5 10.39
17年目 5 10.91
18年目 5 11.46
19年目 5 12.03
20年目 5 12.63
21年目 5 13.27
22年目 5 13.93
23年目 5 14.63
24年目 5 15.36
25年目 5 16.13
26年目 5 16.93
27年目 5 17.78
28年目 5 18.67
29年目 5 19.60
30年目 5 20.58
合計利益 150 332.19
元利合計 250 432.19

この表からもわかる通り、単利と複利では毎年得られる利益に徐々に差が出てきます。

30年後の元利合計では、約182万円もの差が生じているのです。

この例では100万円を元本としていますが、元本と利回りが大きくなるほど、経過期間に伴う単利と複利の差は広がってきます。

普段の投資で、 単利と複利を意識していないならば、ぜひとも意識すべきでしょう。

この例のように、100万円を投資して毎年5万円の利益が出たならば、

その5万円を使い込んでしまうのではなく、再投資して複利効果を得られるようにするのです。

短期投資と長期投資はそれぞれ一長一短ですが、長期投資の強みは複利効果の得やすさにあります。

長期的に腰を据えて投資すれば、発生した利益の再投資を絶えず繰り返し、リターンを高めていくことができます。

これは、リスクを抑えることにもつながります。

単利の場合は、投資期間に関係なく得られる利益が一定しており、表の場合には毎年5万円の利益が得られます。

このため、 その年に5万円超の損失が発生すれば、利益によるカバーができません。

元本100万円に対して、たった5%の下落で損失が確定してしまうのです。

一方、複利の場合には、投資期間が長くなるほど得られる利益が増えていきます。

これにより、利益によってカバー可能な損失額は年々大きくなっていき、30年目には20万円以上の損失をカバーできるようになっています。

もちろん、 利益を年々積み上げていくため、ほとんどの損失は吸収できるようになり、元本割れのリスクはほぼゼロになります。

このように、複利はリスク低減にも役立つことが分かると思います。

このように、長期投資では複利効果によって、短期投資よりもリスクが低くなるのが普通であり、トータルでの利益も大きくなる傾向があります。

軍用地投資の複利効果とは?

ところで、軍用地投資で複利効果が期待できるといえば、首をかしげる人もいるでしょう。

毎年受け取る借地料を再投資するといっても、 再投資できるだけの借地料を貯めなければならず、毎年のリターンを再投資することはできないためです。

しかし、軍用地投資における複利効果は、一般的な

「リターンを再投資することで、徐々にリターンを大きくなっていく」

という意味での複利効果ではありません。

軍用地投資は、軍用地投資の特殊な構造から、年々借地料が増額されます。

このため、リターンを再投資していない場合でも、

「リターンを再投資していないものの、徐々にリターンが大きくなっていく」

という、複利にそっくりな結果になるのです。

これは、借地料の決められ方にあります。

毎年の借地料に関する予算は、国と沖縄県軍用地等地主会連合会との交渉によって決められています。

この交渉では、毎年借地料の増額が求められており、毎年増額が認められ続けてきました。

実際に、現在に至るまでの間、借地料は毎年平均5%ずつ上昇しています。

つまり、1000万円で購入し、毎年50万円の借地料が支払われる軍用地を30年間保有し続けていたならば、投資の成果は以下のようになります。

(単位:万円)

借地料
1年目 50.00
2年目 52.50
3年目 55.13
4年目 57.88
5年目 60.78
6年目 63.81
7年目 67.00
8年目 70.36
9年目 73.87
10年目 77.57
11年目 81.44
12年目 85.52
13年目 89.79
14年目 94.28
15年目 99.00
16年目 103.95
17年目 109.14
18年目 114.60
19年目 120.33
20年目 126.35
21年目 132.66
22年目 139.30
23年目 146.26
24年目 153.58
25年目 161.25
26年目 169.32
27年目 177.78
28年目 186.67
29年目 196.01
30年目 205.81

これは、

「元本+リターンに対してリターンが発生する」

という、一般的な意味での複利効果とは異なります。

しかし、 得られる利益が年々増えているのですから、まぎれもなく複利効果が得られていると言ってよいでしょう。

これが、軍用地投資の複利効果です。

ダブルでの複利効果も狙える

もちろん、借地料を毎年貯めておいて、ある程度まとまった金額になってから軍用地の購入費用とするならば、一般的な意味での「再投資による複利効果」も得られます。

その場合、

元本+リターンに対してリターンが発生する

という意味での複利効果と、

毎年借地料が増額されていく

という意味での 複利効果が二重で得られるため、投資効果は一層伸びてきます。

このことは、以下の表をみれば一目瞭然です。

これは、

  • 年間のリターンが5%の軍用地を1000万円で購入
  • 借地料の毎年の伸び率は5%

1000万円貯まった時点で再度年利5%の軍用地を1000万円で購入再投資した場合の例です。

(単位:万円)

軍用地① 軍用地② 軍用地③ 軍用地④ 軍用地⑤ 借地料総額 積立金額
1年目 50.00 50.00 50.00
2年目 52.50 52.50 102.50
3年目 55.13 55.13 157.63
4年目 57.88 57.88 215.51
5年目 60.78 60.78 276.28
6年目 63.81 63.81 340.10
7年目 67.00 67.00 407.10
8年目 70.36 70.36 477.46
9年目 73.87 73.87 551.33
10年目 77.57 77.57 628.89
11年目 81.44 81.44 710.34
12年目 85.52 85.52 795.86
13年目 89.79 89.79 885.65
14年目 94.28 94.28 979.93
15年目 99.00 99.00 1078.93
16年目 103.95 50.00 153.95 232.87
17年目 109.14 52.50 161.64 394.52
18年目 114.60 55.13 169.73 564.24
19年目 120.33 57.88 178.21 742.46
20年目 126.35 60.78 187.12 929.58
21年目 132.66 63.81 196.48 1126.06
22年目 139.30 67.00 50.00 256.30 382.36
23年目 146.26 70.36 52.50 269.12 651.48
24年目 153.58 73.87 55.13 282.57 934.05
25年目 161.25 77.57 57.88 296.70 1230.76
26年目 169.32 81.44 60.78 50.00 361.54 592.29
27年目 177.78 85.52 63.81 52.50 379.61 971.91
28年目 186.67 89.79 67.00 55.13 398.60 1370.50
29年目 196.01 94.28 70.36 57.88 50.00 468.53 839.03
30年目 205.81 99.00 73.87 60.78 52.50 491.95 1330.98

30年後の総資産額:6330.98

借地料の積立金額が1000万円を超過する

  • 16年目
  • 22年目
  • 26年目
  • 29年目

のタイミングで、新たな軍用地へと再投資した結果、最終的に得られる年間の借地料は約520万円となります。

また、5つの軍用地に投じた5000万円と、30年目時点での積立借地料の1330.98万円を合計すると、 資産総額は約6331万円にもなります。

出発点は1000万円の軍用地でしたが、借地料の値上げによる複利効果と、借地料の再投資による複利効果のダブルで運用した結果、

1000万円から6330万円へ、30年間で資産は663%も増加しているのです。

年間の借地料収入が年々大きくなるのですから、 31年目以降も同じ流れで運用し続けた場合、資産は爆発的に膨張していくでしょう。

もちろん、借地料の伸び率が鈍くなることもあるでしょうし、再投資したいときに適した軍用地がいつでも見つかるわけではないので、この表のように単純にはいかないでしょう。

しかし、軍用地の複利効果を正しく知り、優れた投資であることを理解するためには、参考になると思います。

借地料は今後も上昇の見通し

ところで、本稿では借地料が上がり続けることを前提に解説を進めていますが、果たして本当に上がり続けるのだろうかと疑問に思う人もいるはずです。

現時点では、借地料は今後も緩やかに上昇していくとみられています。

米軍基地が返還されれば借地料は得られなくなる可能性がありますが、その心配はほぼありません。

返還は進まない

というのも、沖縄の軍用地は特殊な歴史的背景と戦略的意義を持っており、軍用地としての利用がなくなることはそうそうないからです。

沖縄における軍用地面積の推移を見てみると、軍用地が部分的に返還されたケースもしばしば見られます。

そのため、軍用地の面積は平成19年度の24000haから、平成28年度には23400haへと減少しています。

確かに減少しているものの、 10年間でわずかに600ha、割合にして2.5%しか減少していません。

仮に、10年あたり2.5%のペースで軍用地が返還されていくとすれば、50%の返還が完了するのは280年後、80%の返還を達成するのは640年後となります。

未来の予測は困難ですから、このような単純計算が当てはまるとは限りません。

しかし、未来は過去と現在から推測するものですから、10年間で2.5%減の割合で返還されると考えれば、返還は遅々として進まないはずです。

少なくとも、30年間の長期投資を考えた場合、30年後に残っているであろう軍用地面積は21689haですから、返還によって借地料がなくなってしまうことを心配する必要はほとんどないと言えるでしょう。

借地料は上がる

これに対して、 借地料は増加の一途をたどっています。

過去のデータを見て見えると、平成19年度の借地料は約880億円であったものが、平成28年度には約990億円となっています。

軍用地が10年間で2.5%減少している一方で、 借地料は10年間で110億円、割合にして12.5%の上昇となっています。

こればかりは予算との兼ね合いがあるため、10年間で12.5%の上昇、100年間で125%の上昇といった考え方はできません。

財源に限りがあるため、いずれは頭打ちになるでしょう。

とはいえ、日本の安全保障政策の上では、 沖縄の米軍基地の重要性は今後ますます高まっており、軍用地を提供し続けるためには地主からの確実な借り上げが必要です。

その地主で構成される沖縄県軍用地等地主会連合会が、毎年増額を求めている以上、国もある程度は受け入れる必要があります。

したがって、借地料の伸び率が鈍化する可能性はあるとしても、今後も借地料は上がり続けるものと考えて間違いないでしょう。

つまり、軍用地は今後も長期投資による複利効果を期待できると言えます。

非常に魅力的な投資対象であり、注目が集まっているのも納得できることと思います。

まとめ

長期投資は、短・中期投資に比べてリスクが低く、複利効果も期待できます。

軍用地に超長期投資をした場合には、リターンの再投資による複利効果だけではなく、借地料の増額による複利効果も期待できるため、長期的に大きなリターンが見込まれます。

さらに、米軍基地の返還はほとんど進んでおらず、借地料は着実に上昇していることから、今後も軍用地は「長期的に複利効果が期待できる優良投資物件」と言えるでしょう。

長期投資の対象を探している人は、ぜひ軍用地投資を検討してみてください。

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