沖縄の人口推移が不動産投資のリスクを下げる!しかし地域によっては注意が必要

沖縄県は、不動産投資に適しています。

これは、全国的に人口が減少しているのに対し、沖縄県では当面の間人口の増加が続き、減少したとしてもかなり軽微にとどまるためです。

とはいえ、沖縄県内でも人口が増加している地域と減少している地域があります。

そのため、沖縄県の中でも人口が当分変化しない地域や、増加傾向にある地域を選んで投資することが大切です。

本稿では、沖縄の人口推移を不動産投資に活かす見方や考え方について解説していきます。

沖縄県の人口推移をチェック

沖縄での不動産投資は、他の都道府県での不動産投資に比べて、圧倒的に有利な条件を持っています。

それは、日本ではすでに人口の減少が始まっており、多くの都道府県や市区町村で人口減少に苦慮しているのに対し、沖縄県では人口が減少していないからです。

皆さんが投資する際にも参考にしてほしいのですが、国立社会保障・人口問題研究所のホームページには、都道府県および市区町村の将来推計人口が掲載されています。

2019年3月現在、このホームページには、2015年から2045年までの30年間の将来人口推計について、5年刻みのデータが公開されています。

それによると、沖縄県の人口は以下のように推移すると予測されています。

沖縄県の将来人口推計を分析

総人口 2015年比
2015年 1433566 0.00%
2020年 1459570 1.81%
2025年 1468236 2.42%
2030年 1469847 2.53%
2035年 1465761 2.25%
2040年 1452321 1.31%
2045年 1428305 -0.37%

この表の通り、沖縄県の総人口は、2030年までは増加を続けた後に減少に転じるとみられています。

それでも、2045年の総人口は、2015年比で-0.37%にとどまっています。

この人口推移のメリットは、日本全体での人口推移と比較してみるとよくわかります。

日本全国の将来人口推計を分析

総人口 2015年比
2015年 127,095,000 0.00%
2020年 125,325,000 -1.39%
2025年 122,544,000 -3.58%
2030年 119,125,000 -6.27%
2035年 115,216,000 -9.35%
2040年 110,919,000 -12.73%
2045年 106,421,000 -16.27%

日本全体で見てみると、2015年から5年後とに着実に人口が減少していきます。
2045年の総人口は、2015年比で-16.27%にも達するとみられているのです。

沖縄における30年間での-0.37%という減少率が、いかに軽微なものであるかがよくわかるでしょう。

人口が減少すれば、 人口に対する賃貸物件の比率が高まり、空室リスクが高くなり、不動産投資の環境が悪化します。

しかし、人口がほとんど変わらず、賃貸物件の新築数もほとんど変わらなければ、空室リスクも一定のままです。

もちろん、人口が増加すれば、少々賃貸物件の数が増えたところで空室リスクは高まることがなく、不動産投資の環境が悪化することもありません。

地域別の人口推移が重要


ただし、沖縄県全体では不動産投資に有利な人口推移になっていたとしても、だからと言って沖縄県内ならばどこに投資しても良いというわけではありません。

なぜならば、市区町村別で人口推移を見てみると、人口が増加する市区町村もあれば、過疎化が進むとみられている市区町村もあるからです。

例えば、那覇市は沖縄県の県庁所在地ですから、沖縄不動産投資でも那覇市を選ぶ人が多いと思います。

確かに、那覇市は沖縄県最大の人口を擁しており、賃貸需要も見込めるエリアですから、投資には適しているでしょう。

しかし、那覇市の人口推移を見てみると、意外な事実が分かります。

以下の表のように、2015年から2045年までの間に、那覇市の人口は-5.97%の減少になるとみられているのです。

那覇市の将来人口推計を分析

総人口 2015年比
2015年 319435 0.00%
2020年 320000 0.18%
2025年 318441 -0.31%
2030年 315673 -1.18%
2035年 312208 -2.26%
2040年 307164 -3.84%
2045年 300368 -5.97%

もちろん、那覇市はもっとも発達した都市であり、減少すると言ってもそれほど深刻なものではありません。

ですから、十分に投資の対象にはなると思います。

しかし、このように人口推移から考えて、より魅力的な地域に投資する考え方は重要です。

そうすることによって、少なくとも大きく 人口が流出する都市を選ぶ危険性は排除できます

また、将来的に那覇市の人口減少が予測されていることを事前に知っておけば、今後那覇市で賃貸物件の新築が増えてきた場合などには、「これは、競争が激しくなるかもしれないぞ」と身構えることもできるのです。

 

10万人都市を見てみよう


沖縄県内で人口10万人以上の中都市をピックアップし、将来人口推計をまとめてみました。

宜野湾市の将来人口推計

総人口 2015年比
2015年 96243 0.00%
2020年 99339 3.22%
2025年 101426 5.39%
2030年 102854 6.87%
2035年 103629 7.67%
2040年 103548 7.59%
2045年 102606 6.61%

浦添市の将来人口推計

総人口 2015年比
2015年 114232 0.00%
2020年 116933 2.36%
2025年 118612 3.83%
2030年 119459 4.58%
2035年 119654 4.75%
2040年 118976 4.15%
2045年 117418 2.79%

沖縄市の将来人口推計

総人口 2015年比
2015年 139279 0.00%
2020年 145975 4.81%
2025年 148328 6.50%
2030年 149900 7.63%
2035年 150753 8.24%
2040年 150376 7.97%
2045年 148791 6.83%

うるま市の将来人口推計

総人口 2015年比
2015年 118898 0.00%
2020年 120250 1.14%
2025年 120874 1.66%
2030年 120993 1.76%
2035年 120775 1.58%
2040年 119785 0.75%
2045年 117934 -0.81%

このように見てみると、沖縄県で人口10万人以上の都市のうち、宜野湾市や沖縄市のように、2045年には2015年比でそれなりに人口が増えていく地域もあれば、浦添市のようにやや増える地域もあります。

うるま市についても、やや人口が減少するものの、それほど深刻ではないことが分かります。

人口が多い市区町村では、将来人口推計に大きな不安要素がないことも、沖縄不動産投資の強みと言えるでしょう。

見逃してはいけないひどい都市も

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しかし、中には人口が大きく流出すると予測されている市区町村もあります。

例えば、宮古島市は2015年には人口5万人以上の都市であり、沖縄県内の小都市の中では人口が多いほうです。

宮古島市の人口推計を見てみると、以下のようになっています。

宮古島市の将来人口推計を分析

総人口 2015年比
2015年 51186 0.00%
2020年 49879 -2.55%
2025年 48335 -5.57%
2030年 46717 -8.73%
2035年 45041 -12.01%
2040年 43298 -15.41%
2045年 41289 -19.34%

この表では、2045年までに20%弱の人口減が予測されています。

宮古島市のような不動産投資に不向きな都市もあるので、沖縄不動産投資に取り組む際には気を付けておきたいものです。

その他の注意点

その他の注意点として、人口に限らず、沖縄不動産投資に不適当な地域もあります。

沖縄県には沖縄戦の歴史があることから、激戦地での建設がタブー視されたり、不人気エリアになってしまったりすることもあります。

この辺のことは、県内の人でなければわかりにくいことも多いため、物件を検討する際に地元の不動産業者に聞くのが正確でしょう。

まとめ

本稿で解説したように、沖縄県と全国の将来人口推計を比較してみると、沖縄県がいかに不動産投資に適しているかが分かります。

不動産投資は、中長期的に取り組む投資ですから、人口の推移に問題がないエリアほど投資環境は良くなるのです。

また、那覇市をはじめとした人口の多い都市においても、おおむね良好な人口推移になると予測されています。

沖縄県内でも、人口が大きく減少してしまう都市がありますが、そのような都市への投資を避けることによって、有利に不動産投資を進めていくことができるでしょう。

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