沖縄観光業は2019年も絶好調!逆風をものともしない勢い
沖縄ビジネスの魅力は、何といっても観光業が急速に成長していることにあります。
沖縄の観光客は年々増加を続けており、観光業の伸びも著しく、今後も成長の余地が十分に見込まれているため、この波に乗ることでビジネスに成功しやすい環境となっています。
では、具体的には、沖縄観光業はどのように好調なのでしょうか。
本稿では、 内閣府の最新の発表をもとに、沖縄観光ビジネスの可能性を探っていきます。
目次
那覇港が日本一に
近年、日本政府は観光業に力を入れています。このため、沖縄に限らず、全国的に観光客数が増加しています。
地域別の観光業の実態を知る指標の一つに、クルーズ船の寄港回数があります。
日本では、国内はもちろんのこと、韓国・中国・台湾・香港などからクルーズ船が寄港していますが、寄港回数が多い港は全国に複数あります。
内閣府が2020年1月23日に発表したデータによれば、2019年におけるクルーズ船の寄港回数の全国ランキングは、以下のようになっています。
順位 | 港名 | 所在地 | 回数 | 18年比増減率(%) |
1 | 那覇港 | 沖縄県 | 260 | 7 |
2 | 博多港 | 福岡県 | 229 | -18 |
3 | 横浜港 | 神奈川県 | 188 | 12 |
4 | 長崎港 | 長崎県 | 183 | -17 |
5 | 石垣港 | 沖縄県 | 148 | 38 |
6 | 平良港 | 沖縄県 | 147 | 3 |
7 | 神戸港 | 兵庫県 | 131 | -4 |
8 | 鹿児島港 | 鹿児島県 | 106 | 6 |
9 | ベラビスタマリーナ | 広島県 | 100 | -18 |
10 | 佐世保港 | 長崎県 | 79 | -27 |
この表を見れば分かる通り、 沖縄県の那覇港は全国で最多の寄港回数を誇っています。
2018年までは、博多港が4年連続で首位を守っていましたが、那覇港がついにこれを抜いて初の全国首位となりました。
このほか、石垣島の石垣港と、宮古島の平良港も上位にランクインしています。
3港の寄港回数を合算すると555回となり、他の都道府県を大きく引き離す結果となっています。
さらに、 他の都道府県の港では寄港回数の減少も見られるのに対し、沖縄の3つの港は全てが増加しています。
石垣港に至っては、実に38%もの増加となっており、目を見張る結果と言えるでしょう。
なお、3港合算での555回という寄港回数は、2018年比で10%の増加率であり、過去最多を記録しています。
沖縄総合事務局によると、各都道府県単位でのクルーズ船の寄港回数では、 沖縄県が4年連続で首位となっています。
2019年、他の主要港で減少が見られたのに対し、沖縄の3港では軒並み増加となっていることから、今後も沖縄県は首位を守るものと思われます。
以上の結果から、沖縄県は国内有数のクルーズ船寄港地が3つもあり、いかに観光客数が多いかが分かるでしょう。
観光客は1000万人超え
近年、日本の観光業では、外国人観光客の増加が目立っていました。沖縄も例外ではなく、特に中国・台湾からの観光客が大きく伸びていました。
しかし、2019年はいくつかの理由により、外国人観光客が全国的に伸び悩んでいました。
主な理由は、
- 日韓関係の悪化により、韓国人観光客が大幅に減少した
- 香港の政治問題により、香港からの観光客が減少した
- 旅行ニーズの多様化により、中国人観光客がベトナムやフィリピン方面に分散された
などの理由が挙げられます。
博多港の寄港回数が大幅に減少したのも、このような原因によるものと考えられています。
沖縄県の入域観光客の内訳を見てみると、外国人観光客のうち、韓国・香港・中国からの観光客が占める割合は非常に大きいです。
このため、上記のような理由による観光客の減少は、沖縄観光業、ひいては沖縄経済全体に打撃を与える可能性が示唆されていました。
実際に、日韓関係が悪化した2019年8月以降、沖縄への韓国人観光客が3割も減少しています。
しかし、そのような理由はあるにせよ、 クルーズ船寄港回数は堅調に増加しており、観光客数も増加を保っています。
外国人観光客は、韓国人観光客の減少により伸び悩んだものの、中国本土や香港、台湾からの観光客が伸びたことにより、前年比1%増の293万人となっています。
さらに、国内の観光客も順調に増加を続けています。
国内景気の回復基調が続いていることや、平成から令和への改元に伴う10連休などの影響を受け、18年比4%増の723万3900人となっています。
この結果、2019年の沖縄県の入域観光客数は、 合計で18年比3%増の1016万3900人となりました。
2018年も、年度ベースで入域観光客数1000万人を突破していますが、暦年ベースでの1000万人超えは初めてのことです。
沖縄ビジネスに追い風
沖縄でビジネスを始めるならば、多くの人は観光ビジネスを選ぶことになるでしょう。
直接的に観光ビジネスを選ばない場合でも、観光業への依存度が極めて高い沖縄においては、 何らかの形で観光業との接点を持つこと になります。
したがって、沖縄でどのようなビジネスに取り組むにせよ、観光業の成長はプラスとなります。
観光業が成長し、沖縄経済が発展し、市場規模が拡大していくならば、沖縄で手掛ける事業も発展しやすくなります。起業の成功率も高まっていくはずです。
今後も増加の期待
今後も、沖縄の観光業は成長し続けると考えられます。
沖縄観光業に打撃になりかねないとされていた日韓関係悪化の影響も、他の地域の観光客の増加によってカバーできており、沖縄観光業の堅調さがよくわかる結果となりました。
現在、日韓両政府は関係の改善を模索しています。
今後の流れ次第では、 韓国人観光客数が回復に転じ、入域観光客数は一層増加していく可能性があります。
最近の懸念としては、中国武漢を中心に感染が拡大しつつある、新型コロナウイルスの問題が挙げられます。
1月28日現在、新型コロナウイルスが経済の下押し要因になることが危惧されており、日経平均株価やNYダウも大幅な下落を見せています。
この影響により、中国からの観光客数が減少する可能性があります。
また、現在、世界経済における中国の重要度は非常に高まっていることから、感染の拡大によって中国経済が減退した場合、それが世界経済全体に悪影響をもたらす可能性が高いです。
観光業の唯一の弱点は、それが娯楽性の消費であり、景気の動向に大きく左右されることです。
新型ウイルスの影響次第では、沖縄に限らず世界的に観光業の減速を招くかもしれません。
もっとも、新型ウイルスの問題については現時点では何とも言えない状況であり、今後の動向を冷静に見守る必要があります。
まとめ
2019年、日韓関係の悪化を始め、観光業の減速が懸念されていたものの、沖縄の観光業はあまり影響を受けることなく成長を続けました。
全国的に見ると、沖縄観光業の成長力は突出して高く、平時に大きく成長するのはもとより、リスクがあるときにも堅調に成長を続けているのです。
現在も、世界的な景気後退リスクはあるものの、 沖縄観光業は他の地域の観光業に比べて、逆境時にも成長を続けていく可能性が高いです。
これは、沖縄ビジネスが景気の悪い環境下でも取り組みやすく、成功しやすいことに他なりません。ぜひ、この強みを活かしていきましょう。