沖縄県の玄関口「那覇市南部」の投資環境!駐車場が確保できれば安定した経営ができる

 

那覇市南部エリアは、那覇空港があることからもわかる通り、沖縄県の玄関口として栄えています。

那覇空港駅と首里駅を結ぶモノレールが通っており、駅周辺の賃貸需要は特に高いです。

ただし、このエリアの一部では、 家族世帯の駐車場確保が難しく、隣接する豊見城市へと世帯が流出するケースが増えているとも言います。

本稿では、 那覇市南部の投資環境について解説していきます。

 

那覇市全体の投資環境をチェック

 

沖縄県は、不動産投資に適した環境であることから、複数のエリアから投資先を選ぶことができます。

近年、全国的に不動産投資環境は悪化しており、適したエリアを厳選していかなければなりません。

しかし、沖縄県内では、たくさんの魅力的なエリアから選んでいくことができ、それだけにどこに投資すべきか迷う人も多いと思います。

 

そんなとき、まずお勧めできるのは 那覇市です。

もちろん、近年の地価の高騰や物件価格の上昇、不動産投資人気の高まりなどを考えると、那覇市内で投資先を見つけることは簡単ではないでしょう。

那覇市は 投資環境が非常によく、安定した収益が得られます

そのため、 手放さない投資家が多く、なかなか適当な売り物件が見つけられないのです。

 

しかし、それほどに魅力的なエリアなのですから、沖縄で不動産投資をするとき、チャンスがあれば那覇市の物件に投資することも考えておくべきです。

那覇市の物件を首尾よく購入できれば、 長期にわたってインカムゲインを積み重ね、さらに高値で売却できる可能性も高いです。

もっとも、那覇市にも 那覇新都心、那覇市西部・東部・南部などに分けることができ、それぞれのエリアで特徴も異なることから、しっかりと情報を押さえたうえで投資を検討していくことが大切です。

 

 

沖縄の玄関口「那覇市南部」はこんなところ

 

那覇市南部地域は、国場川・漫湖を境として南西部に広がる一帯であり、小禄・金城・宇栄原・赤嶺・田原・高良といった地区によって構成されています。

那覇空港も那覇市南部に含まれると考えれば、県外の人でもイメージしやすいでしょう。

 

このほか、那覇市南部には陸上自衛隊那覇駐屯地、航空自衛隊那覇基地、那覇市唯一の米軍基地である那覇軍港などがあります。

那覇空港を擁する那覇市南部は、沖縄県の玄関口にもあたることから、高速バスや路線バス、レンタカー、モノレール駅などが集中しており、 交通の要衝としても機能しています。

 

 

那覇市南部にも、多くの住宅地があります。

このエリアの南東部にあたる宇栄原地区には大規模な団地がありますし、小禄・赤嶺・奥武山といった モノレール駅周辺は賃貸需要も高いです。

このほか、中西部の金城地区は、米軍基地の跡地に形成された地区であり、商業的にも発達しています。

 

 

ただし、南部全体を俯瞰してみると、南部は土地が狭いことが分かります。

国道331号線から西側に那覇空港や自衛隊基地などが広がり、これが那覇市南部の約半分を占めており、東側に住宅地その他が集中しているのです。

このため、 那覇市の他のエリアに比べると土地の確保が難しくなっています

モノレール駅からやや遠いエリアでは、特に家族世帯の駐車場確保が難しくなっており、家族世帯が隣接する豊見城市に引っ越すケースも増えているようです。

 

 

那覇市南部の投資環境をチェック

 

では、那覇市南部への投資を考えるにあたって、留意すべきポイントを整理していきましょう。

 

地価はやや低めだが土地が限られている

沖縄県内では、不動産投資の人気が高まっていること、商業的な開発が進んでいること、外国人観光客急増に伴うリゾート開発が盛んになっていることなどから、県内全域で地価が上がっています。

那覇市も例外ではなく、以下の表のように大きな伸びを見せています。

地価 名護市 うるま市 沖縄市 宜野湾市 浦添市 那覇市新都心 那覇市 豊見城市 石垣市 宮古島市
2009 56,900 43,500 67,700 80,800 100,900 220,000 167,200 75,600 67,800 28,500
2010 55,900 42,600 66,500 80,200 99,400 215,000 163,700 73,500 64,800 27,300
2011 55,300 43,100 65,700 79,800 100,800 214,000 160,500 72,300 62,800 28,600
2012 54,700 42,400 65,000 78,900 100,000 211,666 152,600 71,200 61,000 27,700
2013 54,200 43,900 64,600 79,000 98,300 216,666 153,800 70,300 59,800 27,100
2014 54,000 43,700 65,800 81,900 104,300 222,333 157,900 70,000 59,300 26,800
2015 54,000 43,600 66,100 82,100 105,500 228,000 160,800 70,700 59,700 26,500
2016 53,900 44,200 66,100 80,300 106,900 241,666 165,500 72,000 60,500 26,500
2017 53,900 44,800 68,500 82,500 107,600 258,000 177,100 74,300 61,000 26,400
2018 53,900 46,300 73,000 88,300 115,700 297,666 192,100 79,400 63,300 27,000
2011-2018合計増減率 -5.27% 6.44% 7.83% 9.28% 14.67% 35.30% 14.89% 5.03% -6.64% -5.26%
2011-2018平均増減率 -0.60% 0.70% 0.84% 0.99% 1.53% 3.42% 1.55% 0.55% -0.76% -0.60%

 

那覇新都心は別格として、それを除く那覇市全域では、2011年から2018年までに年間平均1.55%、8年間で14.89%の上昇となっています

この伸び率は、 全国的に見てもかなり高いと言えます。

那覇市の平均地価は、2018年の地価公示において19万2000円/㎡となっています。しかし、これは那覇市全域での平均値であり、 特に地価が高いエリアは西部に集中しています。

 

いくつか例を挙げると、那覇市西部の久茂地の地価は101万円/㎡となっており、那覇新都心の天久やおもろまちなどよりも圧倒的に高いです。

これは、 久茂地は沖縄経済の中心として機能するオフィス街であるためです。

 

また、沖縄県庁舎がある泉崎も那覇市西部ですし、若狭や泊といった地価が高めの地域も西部に属します。

このようなエリアが那覇市の平均的な地価を押し上げており、 南部で特に地価が高い赤嶺や金城などの地区は、那覇市平均より低くなっています

 

 

しかしながら、沖縄県全体で考えれば土地が非常に高いこと、駐車場の確保に苦労するほど土地が限られている南部において、個人投資家が土地を購入して新築不動産投資を始めることは、あまり現実的ではありません。

手掛けるとなると、難易度はかなり高くなってしまうでしょう。

 

人口は横ばいで安定して推移

次に人口ですが、那覇新都心の人口が急激に増加していることを除いて、那覇市西部・東部・南部の全域で安定した推移となっています。

人口 那覇新都心 那覇市西部 那覇市東部 那覇市南部 宜野湾市 石垣市 浦添市 名護市 沖縄市 豊見城市 うるま市 宮古島市
2011 17,462 70,817 167,513 60,301 92,467 48,123 111,463 60,160 135,363 57,957 118,994 54,720
2012 18,048 71,554 167,849 60,470 93,751 48,199 112,413 60,472 136,330 58,794 119,558 54,784
2013 18,123 71,877 168,053 64,013 94,062 48,224 113,089 60,768 137,167 59,634 119,857 54,310
2014 18,753 71,829 168,274 61,156 94,991 48,559 113,453 61,550 137,706 60,609 120,372 54,802
2015 19,077 71,835 165,877 61,379 95,676 48,662 113,441 61,747 138,010 61,492 120,863 54,476
2016 19,372 71,540 174,711 61,710 96,442 48,870 113,143 61,887 139,245 62,374 121,319 54,266
2017 19,647 71,188 167,150 62,079 97,043 48,943 113,421 62,204 140,208 62,669 121,794 54,083
2018 19,791 70,764 166,485 61,904 97,112 48,946 113,405 62,410 140,295 63,655 122,185 54,135
2011-2018合計増減率 13.34% -0.07% -0.61% 2.66% 5.02% 1.71% 1.74% 3.74% 3.64% 9.83% 2.68% -1.07%
2011-2018平均増減率 1.80% -0.01% -0.09% 0.38% 0.70% 0.24% 0.25% 0.53% 0.51% 1.35% 0.38% -0.15%

 

西部と東部では人口がわずかに減少しているのに対し、南部ではわずかに増加しています。

しかし、沖縄県全体で人口が順調に伸びていることを考えれば、ややインパクトのない推移と言えるでしょう。

また、人口の多さでは、面積が大きく住宅地も広い那覇市東部が最も多く、オフィス街などの商業区域に土地を割いている西部と、 那覇空港や自衛隊基地などに土地を割いている南部の人口が少ないという関係が分かります。

 

家賃は全ての間取りにおいて上昇中

ただし、人口がほぼ横ばいで推移しているにも関わらず、那覇市南部ではすべての間取りにおいて、家賃が順調に上昇しています。

1R~1LDK 2DK~2LDK 3DK~3LDK
県平均 那覇市南部 乖離率 県平均 那覇市南部 乖離率 県平均 那覇市南部 乖離率
2009 38,500 39,001 1.3% 51,500 52,015 1.0% 62,500 65,000 4.0%
2010 40,300 41,187 2.2% 51,600 56,296 9.1% 62,500 66,875 7.0%
2011 38,800 41,516 7.0% 51,700 53,975 4.4% 62,300 67,471 8.3%
2012 38,900 42,207 8.5% 50,400 56,196 11.5% 62,400 68,515 9.8%
2013 41,100 41,018 -0.2% 53,300 58,683 10.1% 65,500 74,932 14.4%
2014 43,800 49,144 12.2% 53,800 57,243 6.4% 66,500 70,025 5.3%
2015 44,200 46,277 4.7% 54,800 58,581 6.9% 67,100 71,462 6.5%
2016 43,200 47,218 9.3% 53,500 60,776 13.6% 66,400 74,102 11.6%
2017 45,900 49,480 7.8% 56,700 60,782 7.2% 68,300 73,218 7.2%
2009-2017合計増減率 19.2% 26.9% 10.1% 16.9% 9.3% 12.6%
2009-2017平均増減率 2.22% 3.02% 1.21% 1.97% 1.12% 1.50%

 

この表では、沖縄県全体での家賃の増減と、那覇市南部での家賃の増減を比較しています。

乖離率を見れば、那覇市南部の家賃が沖縄県全体の家賃に比べて、高い水準で推移してきたことが分かります。

9年間での家賃上昇率は、 単身者向け物件では約27%、年率にして約3%となっており、勢いのある上昇を見せています

家族向け物件でも12~17%の上昇となっており、需要が堅調であることが分かります。

 

すでに述べた通り、南部では駐車場の確保が難しく、家族世帯が豊見城市に流出するケースが目立っています。

このため、南部全体での家賃は順調に推移していても、駐車場が不足している物件では家賃が伸び悩む可能性もあります。

逆に、 駐車場を確保できれば安定した賃貸経営ができるでしょう。

 

稼働率は高く安定した経営が期待できる

当然のことながら、家賃が上昇しているのは需要が供給を上回っているからです。

このため、高い家賃でも稼働率は高く、かなり安定した賃貸経営が期待できます。

 

以下の表のように、近年の那覇市は97.5%という高い稼働率となっています。

名護市 うるま市 沖縄市 宜野湾市 浦添市 那覇新都心 那覇市 豊見城市 石垣市 宮古島市
2009 88.0% 91.0% 95.0% 96.0% 92.0% 97.0% 75.0% 94.0% 87.0% 95.0%
2010 84.3% 88.0% 92.6% 92.1% 93.0% 97.5% 77.0% 92.6% 88.2% 98.0%
2011 89.0% 87.0% 90.0% 92.0% 90.0% 94.0% 82.0% 93.0% 91.0% 98.0%
2012 90.0% 88.0% 88.0% 88.0% 89.0% 96.0% 87.0% 94.0% 94.0% 99.0%
2013 94.0% 93.0% 93.0% 87.0% 88.0% 94.0% 90.0% 92.0% 91.0% 97.0%
2014 93.0% 93.0% 84.0% 92.0% 89.0% 96.0% 92.0% 88.0% 93.0% 98.0%
2015 89.4% 85.5% 82.4% 92.9% 91.0% 97.3% 90.4% 88.7% 93.1% 99.7%
2016 90.0% 87.3% 84.1% 93.4% 92.3% 98.1% 92.9% 90.4% 97.5% 99.8%
2017 94.5% 88.0% 92.0% 94.0% 92.5% 97.5% 97.5% 94.4% 99.5% 99.7%

 

これは、新都心を除く那覇市全体の稼働率ですが、南部が大きな問題を抱えているわけではないため、南部でもこの数値に近い稼働率になると考えてよいでしょう。

もっとも、駐車場不足を理由に引っ越す世帯もあるため、そのようなエリアの賃貸物件と、人気が高いモノレール駅周辺の賃貸物件では、稼働率に差が出てくるはずです。

したがって、同じ南部あっても、 物件のタイプやターゲットになる世帯、周辺の交通事情、駐車場の有無などをしっかりと調査したうえで、空室リスクの少ない物件に投資することが重要です。

 

 

まとめ

那覇市南部は、沖縄県の玄関にあたるエリアであり、モノレール駅周辺はもちろんのこと、南部全域で家賃推移・人口推移などが堅調です。

このため、基本的には不動産投資に適したエリアと考えてよいでしょう。

しかし、最近では家族世帯で駐車場の確保が難しくなっています。

特に、モノレール駅から距離のある地域、豊見城市との境界付近の住宅地に投資するならば、駐車場の確保を優先事項と考えて、投資していくことが大切です。

 

 

 

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