縁がないと沖縄の銀行からの融資を厳しい!県外在住者でも融資を受ける2つの方法
沖縄県内在住者であれば、沖縄不動産を購入する資金を、沖縄の地銀から借りる方法が考えられます。
しかし、沖縄の地銀は県外にほとんど支店を持っていないため、県外在住者が融資を受けられないケースも多くなります。
昨今の融資情勢の悪化に加えて、居住地の問題まで出てくると、沖縄不動産投資などとても無理だと思う人もいると思います。
しかし、やり方次第では沖縄の地銀から融資を受けられる可能性があります。
本稿では、 厳しさを増す融資情勢を踏まえつつ、県外在住者が沖縄の地銀から融資を受ける方法について解説していきます。
目次
近年の融資情勢について把握しよう
2010年代、不動産投資は富裕層のための投資ではなく、一般の人でも取り組みやすい投資へと姿を変えました。
これは、個人でもアパートローンを利用しやすくなり、物件の購入資金を調達しやすくなったからです。
2016年までは多くの金融機関がアパートローンに積極的であり、フルローンやオーバーローンなどを利用できたり、属性の審査がやや緩かったり、借り手には好都合な状況でした。
それでも、融資を受けるために求められる年収はそれなりの水準であり、年収が低い人が不動産投資を副業にしたいと考えたとき、なかなか借りられないケースも多かったものです。
さらに、2017年頃から徐々に融資のハードルが高くなっています。特にスルガ問題の起こった2018年以降では、融資情勢はますます厳しくなっており、より高い属性が求められるようになっています。
沖縄の地元の金融機関も厳しいのが現状
沖縄不動産投資に取り組むにあたり、利用できる銀行は沖縄の地元の金融機関である 琉球銀行・沖縄銀行・沖縄海邦銀行などです。
沖縄県内には、メガバンクや鹿児島銀行などの支店もあり、これらの金融機関でもアパートローンの打診はできるものの、地元の金融機関に比べると 物件の価値や収益性などを正確に判断できないことが多く、融資を受けにくいとされています。
そのため、 地元の金融機関を利用したほうがベターです。
これらの地元金融機関も、アパートローンに比較的積極的と言われていましたが、2017年以降、他の金融機関と歩調を合わせてアパートローンでの貸付に慎重になっています。
地元の不動産業者の話によれば、スルガ問題が大きく取り上げられていた2018年、地元金融機関にも金融庁のチェックが入ったと言われています。
スルガ問題と類似した、不適切な融資が行われていないかどうかについてチェックが行われたわけです。
チェックの結果、不適切な融資は行われていなかったのでしょうが、金融庁はこのようなチェックをすることによって、 「アパートローンを抑制せよ」という圧力をかけているのです。
地元の金融機関でも、アパートローンは厳しくなっていると考えて間違いないでしょう。
沖縄県地元の金融機関は県外在住者に厳しい
借りにくいものの、借りなければ成り立たないのが不動産投資というものです。
一般的なサラリーマンが、借りられないから現金で買おうと思えば、どう頑張っても区分不動産が精いっぱいであり、一棟物件を購入してまとまった賃料収入を得ることは困難です。
とはいえ、属性などを理由に融資を受けられない人であれば、飛び込みで融資を申し込んでも借りられない可能性が高いです。
融資に慎重になっている銀行は、 取引実績のない個人に対して、より厳しい姿勢で判断するためです。
さらに、沖縄在住の人ならばまだしも、 他県から沖縄不動産投資に取り組むならば、より困難になると思われます。
そもそも地方銀行は、その地域に縁がある人に融資することによって、地域金融を円滑化するという使命を帯びています。
このため、県外から沖縄不動産投資をする人は、県外在住であることを理由に融資を受けられないことも多いです。
また、審査を受けられるとしても 沖縄県内在住の人よりも融資を受けにくくなる可能性が高いです。
沖縄県以外では、わずかに東京都に2店舗しか存在しておらず、千代田区の琉球銀行の支店、中央区に沖縄銀行の支店があります。
このため、東京都在住の人であれば、これらの支店を利用することができます。
しかし、 沖縄に縁のない県外在住者は、融資を受けることが難しいケースが圧倒的に多くなります。
ここでいう「縁」とは、過去に沖縄に住んでいた、親戚が沖縄に住んでいる、配偶者が沖縄の出身者である、といったつながりです。
これらの縁が全くない場合には、沖縄県の地方銀行の利用は難しくなります。
唯一の例外は琉球銀行
また、琉球銀行では2016年8月より「沖縄大好き 夢」というアパートローンの提供を開始しています。
この商品は、県外から沖縄不動産に投資する人を対象としているため、県外からでも融資を申し込むことができます。
ただし、この商品が提供された2016年は、まだまだアパートローンが出やすかった時代です。
それ以降、融資情勢はかなり厳しくなっています。
実際に、このアパートローンの利用条件には、 年収800万円以上であること、融資上限は売買価格の7割(頭金は3割必要)であることなど、 厳しめの条件となっています。
県外在住者が沖縄との縁を作るための2つの方法
しかし、沖縄県内に住んでおらず、東京都の支店も利用できない人でも、沖縄の地銀とつながりを作ることができます。
居住地の関係で融資が困難な人には、以下のような方法がおすすめです。
沖縄の地銀に預金口座を開設する
このほか、ひと手間かけることによっても、沖縄の地銀との縁を作ることができます。
ともかく 沖縄の地銀に預金口座を開設し、つながりを作ってしまうのです。
もちろん、マネーロンダリングや振り込め詐欺などの防止のために、全く縁がない銀行に預金口座を開設することはできません。
そこで、まずは沖縄県内の区分不動産を現金で購入し、その物件の家賃の振込先として沖縄の地銀に口座を開設する、といった流れを踏む必要があります。
この方法を使えば、沖縄銀行や沖縄海邦銀行などとも縁ができ、アパートローンを借りられる可能性が出てきます。
沖縄への移住を見据える
沖縄を不動産投資の主戦場と考え、長期的に取り組んでいくならば、沖縄への移住を見据えるのも一つの手です。
むしろ、今後沖縄不動産投資の人気はますます高まっていき、県外からの投資が難しくなってくるでしょうから、沖縄県内に移住したほうがやりやすいのは間違いありません。
当然、 移住してしまえば地元住民の仲間入りですから、沖縄の地銀を問題なく利用できるようになります。
この方法は、生活との兼ね合いもあり、簡単にはいかない人も多いと思いますが、選択肢の一つとして検討してみるのも良いかもしれません。
まとめ
本稿で解説したように、全国的に融資が厳しくなっている今、県外から沖縄不動産投資に取り組む場合に、一層の困難が予想されます。
しかし、やり方次第では沖縄の地銀から借りられる可能性があります。
融資情勢そのものが厳しくなっている今、このような方法を使ったとしても、県外在住者への融資は基本的に厳しくなると思われますが、じっくりと取り組んでいくことによって、融資を受けられるかもしれません。
自分に最適な方法で、沖縄の地銀との縁を作っていきましょう。