沖縄不動産投資で重視される周辺施設は?沖縄の特殊な事情を考慮しよう

不動産投資は、物件選びが非常に重要です。入居者を集められる物件を選ぶことができなければ、投資に失敗する可能性が非常に高くなるからです。

そこで重視されるのが物件の立地です。

その物件の 周辺施設が入居者のニーズにマッチしているかどうかによって、収益性が大きく左右されます。

当然ながら沖縄不動産投資でも立地は重要であり、沖縄の事情を踏まえたうえで立地を考える必要があります。

そこで本稿では、 沖縄特有の事情を踏まえつつ、人気の周辺施設について解説していきます。

 

沖縄不動産投資でも立地は重要

沖縄不動産投資でも、他の都道府県での不動産投資でも同じことですが、物件の空室率を最も左右する要素は「立地」とされます。

極端に言えば、いくらデザイン性や機能性に優れている物件でも、「周辺に何もない、最寄りのコンビニまで車で30分」といった立地であれば、入居者を集めるのは困難です。

これは家賃が安い物件でも同じです。

逆に、 それほど際立った特徴がない物件でも、「利用者数の多い駅から歩いて5分、マンモス大学のすぐ近く」といった好立地であれば、 入居者を集めることは容易です。

 

現在の沖縄不動産投資では、賃貸物件の供給が不足しているエリアもあり、空室率はかなり低い状態となっています。

そのため、現時点では他の都道府県における不動産投資ほど、立地を重要視しなくても成り立つことがあります。

また、沖縄県には鉄道路線がほぼなく、約13㎞という短い距離をモノレールが運行しているだけです。そのため、駅から近い物件を選ぶ必要がないことからも、立地がそれほど意識されていません。

しかし、需要と供給はやがてバランスの取れた状態になっていくものです。

沖縄不動産投資が過熱した場合には、供給過剰に陥る可能性もあります。そのため、今後は沖縄不動産投資でも、 立地の重要性が高まってくるでしょう。

 

 

沖縄の人気施設

沖縄不動産投資で成功するための立地を知るためには、沖縄で人気の施設を知る必要があります。

沖縄県は、気候や県民性など、他の都道府県では見られない特徴もあることから、沖縄不動産投資で人気のある周辺施設も やや特殊です。

おきぎん経済研究所のデータをまとめると、沖縄不動産投資で入居者から人気が高い施設は、以下のようになっています。

2013 2014 2015 2016 2017 合計
スーパー・コンビニ 27 26 34 36 26 149
学校 23 25 23 21 16 108
モノレール駅・バス停 16 15 6 7 5 49
病院 11 9 7 6 7 40
大型商業施設 8 11 6 6 5 30
公園 8 5 4 2 1 20
金融機関 3 4 3 4 1 15
高速道路インターチェンジ 3 3 0 0 0 6
その他 0 0 4 0 1 5
役所 0 2 1 0 1 4
1 2 0 0 0 3
繁華街 1 0 0 0 0 1
ファーストフ-ド 0 0 0 1 0 1

 

最も意識するのは「モノレール駅・バス停」

人気の高いスーパー・コンビニ、学校はひとまず置いておき、モノレール駅・バス停の人気から解説していきたいと思います。

なぜならば、 これが他の施設の人気にも関わってくるからです。

 

バス停のニーズを意識すべき理由

他の都道府県での不動産投資では、駅からの距離が非常に重視されます。駅から近い物件は総じて空室率が低く、収益性は高くなります。

沖縄県には鉄道路線がほとんどなく、ごく短い距離をモノレールが運行しているだけです。まもなく路線の延伸が完了するようですが、それでも大幅に伸びるわけではなく、駅の数も少ないです。

このため、沖縄県では他の都道府県ほど、駅を意識した立地を選ぶ必要がありません。

アンケートではモノレール駅とバス停を一緒に集計していますが、モノレールを利用している県民はごく一部ですから、モノレール沿線沿いの物件でなければ、 バス停のニーズを意識するべきでしょう。

 

車をつかえない層も多い

沖縄県は電車がなく、交通渋滞が深刻な問題になるほどの車社会です。

モノレールとは縁がないエリアがほとんどであり、車を持っていない人・運転できない人は、 主にバスを利用することになります。

また、沖縄県は出生率・死亡率ともに全国一位であり、若者の数も多ければ高齢者の数も多いです。これは、 自家用車を使えない人の多さ、バスの重要性の高さに直結します。

 

自転車の普及率も低い

他の都道府県ならば、若者や高齢者の移動手段はバスだけではなく、自転車もあります。特に、学生の通学では自転車がよく使われます。

しかし、沖縄県は自転車の普及率が極端に低く、自転車に乗っている人がほとんどいません。これは、沖縄は海に囲まれていることから塩害がひどく、自転車がすぐに錆びてしまうためです。

塩害は海に近いエリアだけではなく、台風によって沖縄全土に影響を及ぼします。

これにより、沖縄では電車だけではなく、自転車という交通手段もあまり選ばれません。これも、 バス停のニーズが高い理由です。

 

以上のように、沖縄県ではバスが非常に重要な交通機関となっています。沖縄不動産投資では、バス停との位置関係を意識して、立地を選ぶことが大切です。

 

スーパー・コンビニ

スーパー・コンビニといった施設は、全国の不動産投資で共通する人気施設であり、沖縄県でも例外ではありません。

ただし、沖縄の交通事情は上記のごとくであり、他の都道府県に比べて切実なものがあります。

スーパー・コンビニが近くになく、歩いていける距離でもなかった場合、自転車が一般的な交通手段でないため、二輪車や自動車を使う必要があります。それがなければバスを使うことになります。

しかし、 交通渋滞がひどいため、できるだけそのような交通手段に頼らず、徒歩圏内にある立地が好まれます。

これが、 スーパー・コンビニが最も重要視される理由と考えられます。

 

学校・病院

学校や病院も人気施設となっていますが、この理由もスーパー・コンビニとほとんど変わりません。

交通の便が悪いことから、 通学や通院ができるだけラクになるよう、学校や病院が近くにあることが好まれます。

また、上記でも述べた通り、出生率が高く死亡率が低い沖縄では、学校に通う子供、病院に通う高齢者の人口も多くなります。

そのため、物件の周囲に学校・病院があるかどうかを気にする人が多いのです。

 

大型商業施設

沖縄県では、再開発に伴って大型商業施設が開業することがよくあります。これは、沖縄県と米軍基地の関係によるものです。

米軍基地は、しばしば返還されることがありますが、米軍の撤退後は全く手つかずの土地が残ることになります。

さらに、米軍基地は以下のよう に主要都市に位置しているケースも多いのです。

  • 浦添市のキャンプ・キンザー
  • 宜野湾市の普天間基地
  • 北谷町のキャンプ・フォスター
  • 沖縄市・嘉手納町・北谷町にまたがる嘉手納飛行場
  • うるま市のキャンプ・コートニー

このような土地が返還されたとき、 再開発することでかなりの経済効果が見込めるため、大型商業施設が開業するケースが多いのです。

区画整理の後に大型商業施設が開業されると、その周辺は非常に住みよいエリアにもなるため、沖縄では大型商業施設が人気の施設となっています。

 

高速道路インターチェンジ

大型商業施設以下は、目立つ項目があまり見られませんが、高速道路のインターチェンジを求める声には注目すべきでしょう。

車社会の沖縄県では、 遠出するときに高速道路を使うことになります。

沖縄県内では那覇市の経済規模が圧倒的に大きく、那覇市で働いている人も多いです。しかしながら、那覇市内は家賃が高いうえに賃貸物件が供給不足である状態なのです。

このことから、那覇市周辺の「豊見城市・浦添市・宜野湾市」といった 周辺の都市から那覇市へ通勤する人も多いです。

このように、他の都市へと通勤している人にとっては、高速道路のインターチェンジから近い物件が好まれます。

どの都市の物件であるかによって、インターチェンジの重要性は大きく異なるため、地域に応じて考慮するのが良いでしょう。

 

まとめ

本稿で述べた通り、沖縄県には色々な特殊性が見られます。中でも、特に交通事情が特殊であり、それが求められる周辺施設にも大きな影響を与えます。

このような事が賃貸物件の空室率にも影響を与えているのです。

沖縄特有の事情を知らずに、一般的な不動産投資と同じ感覚で立地を選んでしまうと、せっかく周辺施設に留意していても、沖縄ではあまり効果がないということにもなりかねません。

本稿のほかにも、当サイトでは沖縄の特殊性について様々な解説をしているので、ぜひ役立ててみてください。

 

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