豊見城市は人気の高いベッドタウンで人口推移も堅調。投資環境は良好

豊見城市は、那覇市南部に隣接する都市であり、那覇市のベッドタウンとして高い人気を誇っています。

人口推移・家賃動向・稼働率など、不動産投資で重要となる様々な要素に問題がなく、 不動産投資環境は良好なエリアです。

本稿では、 豊見城市の投資環境について、様々なデータを見ながら解説していきます。

豊見城市の人口は堅調

豊見城市は、那覇市の南に位置している、約19㎢の都市です。

面積は那覇市の約半分と狭いながらも、那覇市南部に隣接していることから、ベッドタウンとして人気が高まっております。

那覇都市圏の中核をなす重要な都市です。

成長力も高く、東洋経済新報社が調査した「成長力ランキング」では、2006年・2010年で全国1位に輝いています。

この成長力の高さには、人口増加が大きく影響しています。

経済成長を促すためには、量による成長すなわち 人口増加による生産の増加が必要です。

あるいは質による成長すなわち 一人当たりの生産性の向上が必要となります。

豊見城市の場合には人口の増加によるところが大きいと考えられます。

ここ数年での豊見城市の人口推移を見てみると、以下のようになっています。

人口 那覇新都心 那覇市 宜野湾市 石垣市 浦添市 名護市 沖縄市 豊見城市 うるま市 宮古島市
2011 17,462 298,631 92,467 48,123 111,463 60,160 135,363 57,957 118,994 54,720
2012 18,048 299,873 93,751 48,199 112,413 60,472 136,330 58,794 119,558 54,784
2013 18,123 303,943 94,062 48,224 113,089 60,768 137,167 59,634 119,857 54,310
2014 18,753 301,259 94,991 48,559 113,453 61,550 137,706 60,609 120,372 54,802
2015 19,077 299,091 95,676 48,662 113,441 61,747 138,010 61,492 120,863 54,476
2016 19,372 307,961 96,442 48,870 113,143 61,887 139,245 62,374 121,319 54,266
2017 19,647 300,417 97,043 48,943 113,421 62,204 140,208 62,669 121,794 54,083
2018 19,791 299,153 97,112 48,946 113,405 62,410 140,295 63,655 122,185 54,135
2011-2018合計増減率 13.34% 0.17% 5.02% 1.71% 1.74% 3.74% 3.64% 9.83% 2.68% -1.07%
2011-2018平均増減率 1.80% 0.02% 0.70% 0.24% 0.25% 0.53% 0.51% 1.35% 0.38% -0.15%

沖縄県全体で、今後も長期的に安定した人口推移を続けるとされています。

特に人口増加率が高いのは那覇市であり、これは県庁所在地であることから当然のデータです。

一方、那覇市を除く那覇都市圏の中心都市を見てみると、 那覇都市圏第二の都市である浦添市の人口が微増となっているのに対し、 豊見城市はかなり順調に増加していることが分かります。

また、国立社会保障・人口問題研究所の将来推計を見ると、以下のようになっています。

総人口 2015年比
2015年 61119 0.00%
2020年 64242 5.11%
2025年 66645 9.04%
2030年 68366 11.86%
2035年 69434 13.60%
2040年 69849 14.28%
2045年 69660 13.97%

もともとの面積が狭いことから、爆発的な人口増加にはならないものの、今後も長期的に堅調な推移を続けると予測されています。

豊見城市の稼働率は94.4と良好

人口が安定して増加していくことは、不動産投資には大きなメリットとなります。

人口の増加は賃貸需要の増加に直結するため、人口が増加している 豊見城市は空室リスクが低く抑えられると予想されます。

実際に、豊見城市の賃貸物件の稼働率を見ても、以下のように高い水準となっています。

名護市 うるま市 沖縄市 宜野湾市 浦添市 那覇新都心 那覇市 豊見城市 石垣市 宮古島市
2009 88.0% 91.0% 95.0% 96.0% 92.0% 97.0% 75.0% 94.0% 87.0% 95.0%
2010 84.3% 88.0% 92.6% 92.1% 93.0% 97.5% 77.0% 92.6% 88.2% 98.0%
2011 89.0% 87.0% 90.0% 92.0% 90.0% 94.0% 82.0% 93.0% 91.0% 98.0%
2012 90.0% 88.0% 88.0% 88.0% 89.0% 96.0% 87.0% 94.0% 94.0% 99.0%
2013 94.0% 93.0% 93.0% 87.0% 88.0% 94.0% 90.0% 92.0% 91.0% 97.0%
2014 93.0% 93.0% 84.0% 92.0% 89.0% 96.0% 92.0% 88.0% 93.0% 98.0%
2015 89.4% 85.5% 82.4% 92.9% 91.0% 97.3% 90.4% 88.7% 93.1% 99.7%
2016 90.0% 87.3% 84.1% 93.4% 92.3% 98.1% 92.9% 90.4% 97.5% 99.8%
2017 94.5% 88.0% 92.0% 94.0% 92.5% 97.5% 97.5% 94.4% 99.5% 99.7%

日本では、すでに人口減少が始まっていることから、稼働率の低さに悩まされるエリアも増えており、全国平均での稼働率も80%程度となっています。

その中で、いかに有利な物件を取得し、高い稼働率を維持していくかが、不動産投資の大きなポイントとなっています。

しかし、人口増加が続いている沖縄県では、主要都市のほとんどでかなり高い稼働率となっており、 豊見城市の稼働率も94.4%となっています。

これにより、空室リスクがかなり低いことが分かると思います。

今後も人口の増加が続くため、新築の賃貸物件の急増によって需給バランスが壊れるなどの イレギュラーな事態が起こらない限り、賃貸需要に問題はないでしょう。

長期的に、安定した収益が期待できると考えられます。

那覇市南部から家族世帯の流入が多い

豊見城市の人口増加の背景には、那覇市南部エリアと隣接していることがあります。

浦添市も、那覇市のベッドタウンとして機能しており、那覇市西部や那覇新都心などの家賃の高さを嫌う人が、浦添市に流入しているケースが見られます。

豊見城市でも、那覇市からの流入が多く、特に那覇市南部エリアからの家族世帯の流入が多いようです。

これは、那覇市南部エリアでは国道331号線を境に、約半分を那覇空港や自衛隊基地などが占めており、土 地が少なく、駐車場の確保が難しいためです。

車社会の沖縄では、単身世帯でも1戸当たり1台、家族世帯では2台以上の駐車場が必要とされています。

駐車場確保が困難なことにより、那覇市南部から豊見城市への家族世帯の移動が起こっているのです。

このため、豊見城市の中古賃貸物件の家賃を見てみると、 2DK~2LDK、3DK~3LDKといった家族世帯向け物件の賃料が、順調に伸びています。

1R~1LDK 2DK~2LDK 3DK~3LDK
県平均 豊見城市 乖離率 県平均 豊見城市 乖離率 県平均 豊見城市 乖離率
2009 38,500 37,499 -2.6% 51,500 48,462 -5.9% 62,500 56,000 -10.4%
2010 40,300 39,615 -1.7% 51,600 51,187 -0.8% 62,500 61,000 -2.4%
2011 38,800 40,507 4.4% 51,700 50,976 -1.4% 62,300 57,814 -7.2%
2012 38,900 39,911 2.6% 50,400 48,989 -2.8% 62,400 58,718 -5.9%
2013 41,100 40,196 -2.2% 53,300 51,701 -3.0% 65,500 60,129 -8.2%
2014 43,800 40,603 -7.3% 53,800 51,164 -4.9% 66,500 61,114 -8.1%
2015 44,200 43,891 -0.7% 54,800 53,923 -1.6% 67,100 62,537 -6.8%
2016 43,200 43,805 1.4% 53,500 50,611 -5.4% 66,400 59,428 -10.5%
2017 45,900 46,589 1.5% 56,700 55,793 -1.6% 68,300 63,109 -7.6%
2009-2017合計増減率 19.2% 24.2% 10.1% 15.1% 9.3% 12.7%
2009-2017平均増減率 2.22% 2.75% 1.21% 1.78% 1.12% 1.51%

県平均よりも低い家賃となっていますが、供給不足で家賃が高騰している那覇市が、県平均家賃を大きく引き上げているためです。

そのため、県平均を下回っていること自体には何ら問題ありません。

むしろ、豊見城市の家賃の上昇率が県平均の上昇率を上回っていることから、人気が高まっていると考えたほうが自然です。

また、豊見城市では単身者向け物件の家賃も順調に上昇しています。

那覇市南部からの家族世帯の流入により、家族世帯向け物件の人気が高まっているだけではなく、単身者向け物件でも家賃が順調に伸びています。

那覇市のベッドタウンですから、那覇市に勤務する単身者が豊見城市に暮らすケースも多く、 単身者向け物件の家賃も堅調に推移しているのです。

単身者向け物件では、県平均を上回っている年も多くみられることからも、需要の堅調さが分かります。

豊見城市の不動産投資のポイント

以上のように、豊見城市は人口推移、稼働率、家賃動向など、多くの点において、不動産投資に有利な条件がそろっていると言えるでしょう。

沖縄県不動産投資に取り組むにあたり、様々なエリアの中でも豊見城市に注目しておくのは、よい観点だと言えます。

さらに、豊見城市に投資するとき、もっと有利に進めていくために、以下のようなポイントを踏まえておくのが良いでしょう。

駐車場の確保

繰り返す通り、那覇市南部から豊見城市に、家族世帯が流入するケースが増えています。

このため、豊見城市の家族向け物件に投資することで、手堅い収益を期待することができます。

しかし、そもそもの流入の原因が「駐車場の確保」にあるのですから、豊見城市で投資する際には、 必ず駐車場を確保できる物件を選ぶ必要があります。

そのような物件でなければ、那覇市南部から流入してくる家族世帯の需要を取り込むことができません。

狙い目は宜保・豊崎

おきぎん経済研究所の調べによると、豊見城市の中でも特に需要が堅調なのが、宜保と豊崎とされています。

宜保は、2018年に市役所が移転したエリアであり、需要が堅調なエリアとして第一に挙げられています。

豊崎は、沖縄アウトレットモールあしびなーなどの商業施設があることからも、 生活利便性が高く、需要が堅調です。

豊見城市の中でも、特にこのようなエリアへ投資する機会があるならば、チャンスと考えておくのがよさそうです。

まとめ

本稿では、様々なデータを見ていきました。

  • 長期的な人口推移が良好であること
  • 今後も安定した賃貸需要が見込めること
  • 稼働率も高水準での推移が期待できること
  • 供給過剰感がなく家賃推移も安定していること

などから、豊見城市の投資環境は優れていると言えます。

沖縄不動産投資に適しているエリアはたくさんありますが、その中でも豊見城市を優良投資先と考えて、アンテナを張っておくことをお勧めします。

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