沖縄不動産投資の融資状況は?融資の条件から外れる人が今すぐできる対策
2017年以降をはじめとし、特にスルガ問題が起こった2018年以降は、不動産投資の融資環境は急激に悪化しています。
これにより、求められる自己資金などの条件も厳しくなってきているのです。
物件価格が高い傾向にある 沖縄不動産投資によっては厳しい環境となっています。
では、沖縄不動産投資を始めるにあたって、融資はどのように考えるべきなのでしょうか。
本稿では、 特に融資条件を満たせない人を対象として、沖縄不動産投資の始め方を考えていきます。
目次
沖縄に限らず現在の融資状況は良くない
沖縄不動産投資に限らず、不動産投資全般に言えることですが、融資環境はよくありません。
マイナス金利政策の影響を受けて、金融機関が個人の不動産賃貸事業にも積極的に融資を始めました。2016年くらいまではアパートローンを簡単に借りることができたのです。
物件購入に必要となる資金を 全額借りるフルローンや、 購入後のリフォーム費用なども含めて借りるオーバーローンなども受けやすく、自己資金の乏しい不動産投資家にとっては良い環境でした。
しかし、2017年あたりから融資環境は徐々に悪くなっており、 フルローンやオーバーローンを受けることは難しくなってきました。
そして2018年、スルガ銀行の不正融資問題が起こってからは、ほとんどの金融機関がアパートローンの審査を厳しくしており、融資環境は急激に悪化しています。
沖縄不動産投資では、融資を受けるにあたって「 沖縄銀行、琉球銀行、沖縄海邦銀行、コザ信用金庫」などを利用することになります。
これらの金融機関も2016年までは融資には積極的であり、沖縄不動産投資を始めることは容易であったと思います。
しかし、沖縄の金融機関も、2017年以降は融資に厳しい対応を見せています。
融資を受けるためには、 属性と自己資金が重要視されるようになっており、積極対応を受けるための年収は800万円、必要な自己資金は物件価格(場合によっては諸経費込みの価格)の3割程度は必要になると思われます。
さらに、アパートローンは不動産賃貸事業への融資であり、事業性融資ですから、 事業の収益性も審査の対象となります。
そのため、貸付金利は1%後半~2%後半、融資期間は法定耐用年数に準拠したうえで、キャッシュフローが返済金額の1.2倍程度は出ているのが望ましいとされます。
2016年以前の不動産投資の参考書を読めば
- フルローンを活用してレバレッジを掛けましょう
- 万が一のために300万円くらいの自己資金は用意しておきましょう
といった書かれ方をしているのですが、そのような情報は現在ではあてにならないのです。
条件を満たせる人は積極的な金融機関の活用がおすすめ
まず、金融機関が求める条件を満たせる人は、積極的に金融機関を利用していくのが良いでしょう。
5000万円の一棟アパートを購入するならば、購入価格の3割にあたる1500万円の自己資金を持っており、年収や収益性でも問題がなければ、おそらく融資を受けられるはずです。
条件を満たせない人が融資を受けられる可能性は?
では、条件を満たせない人はどうすればよいのでしょうか。
以上のような条件を読めば、とても自分には始められないと思う人もいるでしょう。
融資環境もよく、不動産投資を始めやすかった頃と比べると、不動産投資を始めるためのハードルはかなり高くなっているのが事実です。
年収800万円という属性は、かなりハードルが高いでしょう。
不動産投資に興味を持つ年齢層には30代の人が多いのですが、30代の平均的な年収は400~500万円程度であり、800万円までアップさせるのは容易ではありません。
さらに、 物件価格の3割を自己資金で用意することもハードルが高いです。
特に、沖縄の不動産は建築コストが高いことから、中古物件の売値も高い傾向があります。
一棟物件で3割の自己資金を用意するならば、1000万円以上の貯金が必要になります。節約生活によって、年間100万円を貯めたとしても、10年以上かかってしまいます。
とはいえ、これは一般的に求められる条件です。ある条件に満たないとしても、 他の条件を満たしたり、金融機関が融資しても良いと思えるだけの要素があれば、融資を受けることは可能です。
例えば、
- 年収は800万円に満たないとしても、自己資金を十分に用意している
- 不動産投資の経験が豊富で貸し倒れリスクが低い
といった要素があればよいのです。
区分不動産から実績を積んでいく
そこで、沖縄不動産投資をこれから始める人におすすめなのが、 不動産投資の実績を積んでいくということです。
沖縄不動産投資と言っても、必ず一棟物件から始める必要はありません。融資条件に満たない人は、区分不動産から始める方法もあります。
区分不動産から始めることによって、以下のようにスムーズに取り組める可能性があります。
自己資金を用意しやすい
区分不動産は、一棟物件に比べると物件価格が安く、自己資金を集めることも容易です。
例えば、500万円の区分不動産を購入するために必要な自己資金は150万円ですから、比較的簡単に貯められる範囲内だと思います。
年収が条件に満たなくとも、 十分な自己資金と収益性を満たすことによって、融資を受けられる可能性は十分にあります。
年収を高める事ができる
もし、価格500万円の区分不動産の利回りが7%であれば、年間の賃料収入は35万円であり、その分だけ年収は高まります。
この流れで、いくつかの区分不動産を買っていくことによって、 年収の面でも融資条件に近づくことができます。
業界との接点ができる
区分不動産の賃貸経営を続けているうちに、不動産業者や大家など、業界との接点ができます。
これによって、「 今は融資環境が悪いけれど、○○銀行の○○支店の、○○さんは融資を通してくれる」などの情報が手に入ることもあります。
そのような情報を活用していくことでも、融資を受けられる可能性は高まります。
実績が評価される
1件目の区分不動産を購入した時点で、不動産賃貸事業の実績を積んでいくことになります。1年、2年と賃貸経営を続けた後であれば、 金融機関の見る目は大きく変わってきます。
簡単に言えば、
- 年収も自己資金も満たしているが、不動産賃貸事業の経験がないAさん
- 年収が多少足りず、自己資金は満たしており、不動産賃貸事業の実績もあるBさん
の二人が、同じ一棟物件の融資を申し込んできたとき、金融機関は 実績あるBさんのほうが貸し倒れリスクは低いと考えます。
確かに、年収がある人であれば、賃貸事業が赤字になった場合にも給与収入からの補填が期待できるため、貸し倒れリスクをいくらかカバーできます。
しかし、Bさんがこれまでに区分不動産を運営してきており、黒字を続けてきた実績があるならば、そもそも 赤字の可能性が低いBさんのほうが貸し倒れリスクは低いと判断するのです。
融資環境の悪さはデメリットをカバーできるチャンス
融資環境が悪いことによって、不動産投資を始めることが難しくなっています。この点だけを見れば大きなデメリットであると言えます。
しかし、融資環境が悪いことによって、メリットになる部分もあります。
それは、 利回りが高まるということです。
融資環境が悪化すると、融資を受けられずに物件を購入できない人が増え、売る側に不利な環境になります。物件を売却したい人は、売値を下げることによって買い手を見つけようとするでしょう。
買い手にとって 物件の取得単価が安くなり、利回りが高まることにもなるのです。
沖縄不動産投資の大きなデメリットは、基本的に家賃が低いことです。そして物件取得単価が高いことによって、利回りが低くなってしまうことです。
したがって、融資環境が悪化した影響によって、結果的に利回りが高くなるならば、沖縄不動産投資のデメリットをカバーできる可能性があります。
融資環境が悪化している今、正しい方法によって融資を受けられる人は、 沖縄不動産投資のデメリットをカバーしつつ、良い条件で投資できる可能性もあるのです。
禍を転じて福となすの精神で、積極的に取り組んでいきましょう。
まとめ
本稿で解説した通り、最近は不動産投資のための融資環境が非常に悪くなっています。今後も、この状況が短期間で大きく改善されるとは考えにくいです。
しかし、融資環境が悪く、不動産投資を始める際の環境も厳しい状況であっても、それで諦めることなく、自分の努力によって改善していくことを考えましょう。
自己資金を用意しやすい区分不動産から始め、年収や実績を徐々に上げていくことができれば、融資環境を徐々に良くしていくことができます。