軍用地投資も融資でレバレッジをかけるべき?ローンの使い方には要注意

 

投資効率を高めるための代表的な方法として、一部の自己資金のほかは融資によって用意し、自己資本に対する利益率を高める方法があります。これを「 レバレッジ」といいます。

不動産投資では、アパートローンを利用して投資するのが普通ですが、軍用地投資ではどうなのでしょうか。

これは、使い方によりけりです。軍用地専用のローンもあるのですが、 使い方を誤るとキャッシュフローが残らなかったり、赤字になる可能性も高いためです。

そこで本稿では、投資における 融資の重要性と、軍用地投資で融資を使うことの是非について解説していきます。

 

投資と融資の関係

融資でレバレッジ

 

リスクが低く、安定した収益が期待できる投資では、投資元本に対するリターンがあまり多くありません。

このため、大きなリターンを得るためには、長期的に複利運用しなければならないのですが、将来のことは誰にもわからないため、リターンの安定性が期待できない可能性も高まります。

また、投資を始めたいと思っていても、手元資金がそれほど多くなければ、少ない金額で投資を始める必要があります。

このため、 利回りの高い投資であったとしても、まとまったリターンを得ることが難しくなります

 

まとまった資金を貯めるためには、 数年にわたって貯蓄を続けることになります。

それによって、投資のための絶好の機会を逃してしまうこともありますし、投資を始めるのが遅くなり、複利効果が得られるのも遅くなります。

このような問題を解決するために、融資を受けて投資する方法があります。

融資を受けることで投資元本を準備できれば、手元資金以上に投資することができます。

 

FXにおける自己資金の25倍までの証拠金取引や、株式投資における自己資金の3倍までの信用取引がこれにあたります。

また、不動産投資でもアパートローンで物件購入費を調達することができます。

特に、不動産投資では、数千万円から数億円の購入費用が必要となるため、融資を利用するのが一般的です。

 

融資を受けて投資効率を上げる

融資を活用することで、投資効率を大きく上げることができます。

例えば、5000万円の不動産を購入して、年間の賃料収入は500万円(表面利回り10%)で運用した場合を考えてみましょう。

 

【融資を使わない場合】

この時、融資を受けずに不動産を購入するのは現実的ではありませんが、もしそうした場合、ローンの返済などもありませんから、賃料収入500万円から経費を20%程度差し引いたとして、投資元本に対する年間の利回りは8%となります。

 

賃貸経営を10年間続けた後に5000万円で売却できたとすれば、 10年間での賃料収入の合計は4000万円、投資元本に対するリターンは80%です。

 

【融資を使う場合】

一方、1000万円だけ頭金を入れ、4000万円の融資を受けて購入した場合にはどうでしょうか。

融資条件は、返済期間を20%、金利を2.5%とします。経費率は20%です。

この時、ローンを返済し、経費を差し引くと、税引前のキャッシュフローは約143万円残ります。

投資元本は1000万円ですから、それに対する年間の利回りは約14.3%となります。

 

賃貸経営を10年間続けた後に5000万円で売却し、ローンの残債である約2045万円を一括返済すると、手元に残るのは2955万円、当初差し入れた頭金を差し引くと1955万円となります。

10年間での賃料収入の合計は1430万円ですから、投資元本1000万円に対する総リターンは338.5%です。

 

以上のように、融資を使うかどうかによって、投資元本に対するリターンに大きな差が出てきます。

これを「レバレッジ効果」といい、投資効率を大きく引き上げるために重要な考え方となります。

 

もちろん、融資を受けずに投資した場合には、銀行へのローン返済もなく、投資に失敗して借金に追われたり、返済負担が収益を圧迫したりすることがなく、安定性は高いと言えます。

融資を受けて投資した場合には、投資効率は高まるものの、安定性を損なう危険性があります。

したがって、しっかりシミュレーションするなどして、投資に臨む必要があります。

 

融資で軍用地は買える?

融資でレバレッジ

不動産のように、数千万円や数億円といった資金が必要になる場合には、融資を受けるケースがほとんどです。

しかし、軍用地は安いもので数百万円、多くは1000万円台の価格帯となっていることから、融資を受けずに投資できる人もそれなりにいると思います。

しかし、投資に必要な金額がどうであれ、融資を受けることでより少額での投資が可能となり、レバレッジ効果も期待できるのですから、軍用地投資でも融資を受けたいと考える人は多いと思います。

 

結論から言えば、 融資を受けて軍用地を購入することは可能です。

沖縄銀行や琉球銀行などでは、軍用地を購入するための「軍用地主ローン」があるため、これを利用することで軍用地投資が可能なのです。

もちろん、これらの銀行の支店は沖縄県以外にもあるため、県外の人でもローンを使うことができます。

 

軍用地主ローンのメリットは、 審査に通りやすいことです。

普通、不動産投資ではアパートローンを利用しますが、アパートローンの審査では借り手の属性や物件の収益性などを厳しく審査されるため、時間と手間がかかります。

 

しかし、 軍用地主ローンは、借り手の属性や収益性などを厳しく審査しません

なぜならば、軍用地の借り手は日本政府であり、借地料が確実に得られるため、借地料を担保とみなして簡単に融資を実行してくれるのです。

したがって、融資実行までに2週間程度しかかからないのが普通です。

 

ローンの組み方に注意は注意が必要

しかしながら、このようなローンが使えるからと言って、使い方には気を付ける必要があります。

なぜならば、軍用地は安定した収益が得られるものの、リターンがそれほど高い投資でもないからです。

このため、ローンの組み方を間違ってしまえば、ほとんど利益を得られなかったり、マイナスになってしまったりする可能性があります。

 

具体例

これはどういうことか、具体例で説明してみましょう。

以下のような例で考えてみます。

 

  • 軍用地価格:1000万円
  • 諸経費:70万円
  • 借入総額:1070万円(フルローン)
  • 返済期間:30年
  • 借入金利:2%
  • 年間借地料:30万円
  • 毎年の借地料の上昇率:1.5%

 

この場合、投資の成果は以下のようになります。

借地料 (変動率) 経費 (経費率) 収支 元利返済額 税引前CF (月額) 期間
返済
余裕率
300,000 0.00% 300,000 当初
304,500 1.50% 0 0.00% 304,500 477,754 0.64 -173,254 -14438 1年目
309,068 1.50% 0 0.00% 309,068 477,754 0.65 -168,687 -14057 2年目
313,704 1.50% 0 0.00% 313,704 477,754 0.66 -164,051 -13671 3年目
318,409 1.50% 0 0.00% 318,409 477,754 0.67 -159,345 -13279 4年目
323,185 1.50% 0 0.00% 323,185 477,754 0.68 -154,569 -12881 5年目
328,033 1.50% 0 0.00% 328,033 477,754 0.69 -149,721 -12477 6年目
332,953 1.50% 0 0.00% 332,953 477,754 0.70 -144,801 -12067 7年目
337,948 1.50% 0 0.00% 337,948 477,754 0.71 -139,806 -11651 8年目
343,017 1.50% 0 0.00% 343,017 477,754 0.72 -134,737 -11228 9年目
348,162 1.50% 0 0.00% 348,162 477,754 0.73 -129,592 -10799 10年目
353,385 1.50% 0 0.00% 353,385 477,754 0.74 -124,369 -10364 11年目
358,685 1.50% 0 0.00% 358,685 477,754 0.75 -119,069 -9922 12年目
364,066 1.50% 0 0.00% 364,066 477,754 0.76 -113,688 -9,474 13年目
369,527 1.50% 0 0.00% 369,527 477,754 0.77 -108,227 -9,019 14年目
375,070 1.50% 0 0.00% 375,070 477,754 0.79 -102,685 -8,557 15年目
380,696 1.50% 0 0.00% 380,696 477,754 0.80 -97,059 -8,088 16年目
386,406 1.50% 0 0.00% 386,406 477,754 0.81 -91,348 -7,612 17年目
392,202 1.50% 0 0.00% 392,202 477,754 0.82 -85,552 -7,129 18年目
398,085 1.50% 0 0.00% 398,085 477,754 0.83 -79,669 -6,639 19年目
404,057 1.50% 0 0.00% 404,057 477,754 0.85 -73,698 -6,141 20年目
410,117 1.50% 0 0.00% 410,117 477,754 0.86 -67,637 -5,636 21年目
416,269 1.50% 0 0.00% 416,269 477,754 0.87 -61,485 -5,124 22年目
422,513 1.50% 0 0.00% 422,513 477,754 0.88 -55,241 -4,603 23年目
428,851 1.50% 0 0.00% 428,851 477,754 0.90 -48,903 -4,075 24年目
435,284 1.50% 0 0.00% 435,284 477,754 0.91 -42,471 -3,539 25年目
441,813 1.50% 0 0.00% 441,813 477,754 0.92 -35,941 -2,995 26年目
448,440 1.50% 0 0.00% 448,440 477,754 0.94 -29,314 -2,443 27年目
455,167 1.50% 0 0.00% 455,167 477,754 0.95 -22,588 -1,882 28年目
461,994 1.50% 0 0.00% 461,994 477,754 0.97 -15,760 -1,313 29年目
468,924 1.50% 0 0.00% 468,924 477,754 0.98 -8,830 -736 30年目

 

この表を見ればわかる通り、せっかく軍用地を買ったものの、利益が一切出ていないことが分かります。

元利均等返済ですから、年間30万円の借地料に対し、毎年477,754円が発生しており、どうあがいても利益が出ない仕組みになっていることが分かります。

金利負担を軽くするためには、地主会に所属して共済会融資を利用する方法があります。

この制度を利用すれば、金利を0.95%まで下げることができます。

 

ただし、返済期間は20年が最長となるため、毎年の返済額は589,963円となり、金利2%の場合よりも赤字が増えてしまいます。

なお、このシミュレーションでは一切経費を考慮していません。

 

軍用地投資で必要となる経費は多くありませんが、毎年課せられる固定資産税、軍用地を購入する際に必要となる不動産取得税、司法書士への手数料など、ローン返済以外にも色々な経費が掛かります。

その場合には、赤字の拡大につながります。

 

フルローンを避け、頭金を入れて購入しよう

融資でレバレッジ

上記の通り、いくら軍用地投資に融資を利用できるからと言って、フルローンを組もうとしたり、それに近い形で融資を受けることは避けなければなりません。

頭金を入れるなどして、融資総額を減らすならば、融資を受けて軍用地投資することが可能です。

 

頭金を入れて購入した場合の具体例

頭金を入れた場合の具体例を見てみましょう。

例えば、以下のような例で考えてみます。

 

  • 軍用地価格:1000万円
  • 諸経費:70万円
  • 頭金:370万円
  • 借入総額:700万円
  • 返済期間:30年
  • 借入金利:2%
  • 年間借地料:30万円
  • 毎年の借地料の上昇率:1.5%

 

この場合、投資の成果は以下のようになります。

借地料 (変動率) 経費 (経費率) 収支 元利返済額 税引前CF (月額) 期間
返済
余裕率
300,000 0.00% 300,000 当初
304,500 1.50% 0 0.00% 304,500 312,549 0.97 -8,049 -671 1年目
309,068 1.50% 0 0.00% 309,068 312,549 0.99 -3,482 -290 2年目
313,704 1.50% 0 0.00% 313,704 312,549 1.00 1,154 96 3年目
318,409 1.50% 0 0.00% 318,409 312,549 1.02 5,860 488 4年目
323,185 1.50% 0 0.00% 323,185 312,549 1.03 10,636 886 5年目
328,033 1.50% 0 0.00% 328,033 312,549 1.05 15,484 1290 6年目
332,953 1.50% 0 0.00% 332,953 312,549 1.07 20,404 1700 7年目
337,948 1.50% 0 0.00% 337,948 312,549 1.08 25,398 2117 8年目
343,017 1.50% 0 0.00% 343,017 312,549 1.10 30,468 2539 9年目
348,162 1.50% 0 0.00% 348,162 312,549 1.11 35,613 2968 10年目
353,385 1.50% 0 0.00% 353,385 312,549 1.13 40,835 3403 11年目
358,685 1.50% 0 0.00% 358,685 312,549 1.15 46,136 3845 12年目
364,066 1.50% 0 0.00% 364,066 312,549 1.16 51,516 4,293 13年目
369,527 1.50% 0 0.00% 369,527 312,549 1.18 56,977 4,748 14年目
375,070 1.50% 0 0.00% 375,070 312,549 1.20 62,520 5,210 15年目
380,696 1.50% 0 0.00% 380,696 312,549 1.22 68,146 5,679 16年目
386,406 1.50% 0 0.00% 386,406 312,549 1.24 73,857 6,155 17年目
392,202 1.50% 0 0.00% 392,202 312,549 1.25 79,653 6,638 18年目
398,085 1.50% 0 0.00% 398,085 312,549 1.27 85,536 7,128 19年目
404,057 1.50% 0 0.00% 404,057 312,549 1.29 91,507 7,626 20年目
410,117 1.50% 0 0.00% 410,117 312,549 1.31 97,568 8,131 21年目
416,269 1.50% 0 0.00% 416,269 312,549 1.33 103,720 8,643 22年目
422,513 1.50% 0 0.00% 422,513 312,549 1.35 109,964 9,164 23年目
428,851 1.50% 0 0.00% 428,851 312,549 1.37 116,301 9,692 24年目
435,284 1.50% 0 0.00% 435,284 312,549 1.39 122,734 10,228 25年目
441,813 1.50% 0 0.00% 441,813 312,549 1.41 129,263 10,772 26年目
448,440 1.50% 0 0.00% 448,440 312,549 1.43 135,891 11,324 27年目
455,167 1.50% 0 0.00% 455,167 312,549 1.46 142,617 11,885 28年目
461,994 1.50% 0 0.00% 461,994 312,549 1.48 149,445 12,454 29年目
468,924 1.50% 0 0.00% 468,924 312,549 1.50 156,375 13,031 30年目

 

購入費用の4割弱を頭金として入れたことで、1~2年目は軽微な赤字になったものの、その後は年々利益が増えていることが分かります。

 

軍用地投資でもレバレッジ効果は得られる

肝心のレバレッジ効果についてはどうでしょうか。

全額を現金で購入した場合と、370万円の頭金を入れた場合とで比較すると、投資元本に対する利回りは以下のようになります。

 

【全額を自己資金で投資した場合】
借地料 投資元本に対する年間の利回り
1年目 300,000 2.80%
2年目 304,500 2.85%
3年目 309,068 2.89%
4年目 313,704 2.93%
5年目 318,409 2.98%
6年目 323,185 3.02%
7年目 328,033 3.07%
8年目 332,953 3.11%
9年目 337,948 3.16%
10年目 343,017 3.21%
11年目 348,162 3.25%
12年目 353,385 3.30%
13年目 358,685 3.35%
14年目 364,066 3.40%
15年目 369,527 3.45%
16年目 375,070 3.51%
17年目 380,696 3.56%
18年目 386,406 3.61%
19年目 392,202 3.67%
20年目 398,085 3.72%
21年目 404,057 3.78%
22年目 410,117 3.83%
23年目 416,269 3.89%
24年目 422,513 3.95%
25年目 428,851 4.01%
26年目 435,284 4.07%
27年目 441,813 4.13%
28年目 448,440 4.19%
29年目 455,167 4.25%
30年目 461,994 4.32%
31年目 468,924 4.38%
32年目 475,958 4.45%
33年目 483,097 4.51%
34年目 490,344 4.58%
35年目 497,699 4.65%
36年目 505,164 4.72%
37年目 512,742 4.79%
38年目 520,433 4.86%
39年目 528,239 4.94%
40年目 536,163 5.01%

 

 

【頭金370万円で購入した場合】
借地料 ローン支払後の利益 投資元本に対する年間の利回り
1年目 300,000 -8,049 -0.22%
2年目 304,500 -3,482 -0.09%
3年目 309,068 1,154 0.03%
4年目 313,704 5,860 0.16%
5年目 318,409 10,636 0.29%
6年目 323,185 15,484 0.42%
7年目 328,033 20,404 0.55%
8年目 332,953 25,398 0.69%
9年目 337,948 30,468 0.82%
10年目 343,017 35,613 0.96%
11年目 348,162 40,835 1.10%
12年目 353,385 46,136 1.25%
13年目 358,685 51,516 1.39%
14年目 364,066 56,977 1.54%
15年目 369,527 62,520 1.69%
16年目 375,070 68,146 1.84%
17年目 380,696 73,857 2.00%
18年目 386,406 79,653 2.15%
19年目 392,202 85,536 2.31%
20年目 398,085 91,507 2.47%
21年目 404,057 97,568 2.64%
22年目 410,117 103,720 2.80%
23年目 416,269 109,964 2.97%
24年目 422,513 116,301 3.14%
25年目 428,851 122,734 3.32%
26年目 435,284 129,263 3.49%
27年目 441,813 135,891 3.67%
28年目 448,440 142,617 3.85%
29年目 455,167 149,445 4.04%
30年目 461,994 156,375 4.23%
31年目 468,924 468,924 12.67%
32年目 475,958 475,958 12.86%
33年目 483,097 483,097 13.06%
34年目 490,344 490,344 13.25%
35年目 497,699 497,699 13.45%
36年目 505,164 505,164 13.65%
37年目 512,742 512,742 13.86%
38年目 520,433 520,433 14.07%
39年目 528,239 528,239 14.28%
40年目 536,163 536,163 14.49%

 

投資元本に対する利回りを比較してみると、ローン返済が続く30年目までは、融資を利用したほうがやや低い利回りとなっています。

これを、「利回りが低くなるならば、融資は利用しない」と考え人もいるでしょうが、「 少し利回りが低くなるが、頭金4割弱で投資できるのだからありがたい」と考えることもできます。

 

また、30年でローンを完済した後は、投資元本に対するリターンは飛躍的に向上します。

レバレッジ効果が得られるまでには時間がかかるのが難点ですが、軍用地投資は何十年も取り組むのですから、このレバレッジ効果を期待して投資するのも良いでしょう。

 

まとめ

融資でレバレッジ

経済活動においては、全額を自己資本でまかなうよりも、他人資本を使ったほうが、自己資本に対する利益率が高まり、投資効率もよくなることが多いです。

しかし、このようなレバレッジ効果を期待するためには、綿密なシミュレーションを行ったうえで、キャッシュフローが残るように投資しなければなりません。

 

安易に融資を利用すれば、 毎年赤字になってしまうこともあります。

それでは、何のために投資しているのか分かりませんし、安定した借地料収入が最大の魅力である軍用地投資においてはなおさらです。

軍用地投資はリターンがあまり高くないため、ある程度は頭金を用意し、しっかりシミュレーションしたうえで融資を利用するようにしましょう。

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