軍用地投資では融資交渉が欠かせない!交渉のポイントとは・・・

軍用地は、売りに出されることがあまりなく、買いたいと思っている人は多いため、競争が激しく、買い付けが容易ではありません。

軍用地投資に成功するためには、スピーディに買い付けを入れ、スムーズに交渉することが重要です。

このため、スピードとスムーズさを重視するあまり、融資条件を軽視しがちです。

しかし、基本的に長期投資となる軍用地投資では、融資条件が長期的な成果を大きく左右するものです。

少しでも良い条件で融資を受けるためには、融資交渉が欠かせません。

本稿では、軍用地投資に成功するための、融資交渉のポイントを解説していきます。

軍用地投資における融資の重要性

軍用地投資の難しいところは、需要に対して供給が圧倒的に追い付いていないことから、購入が困難なことです。

株式投資などであれば、その時の株価に納得しさえすれば、流動性の著しく低い一部の銘柄を除き、容易に購入することができます。

一般的な不動産投資でも、良い物件に巡り合うのは簡単ではありませんが、それでも軍用地投資と比べれば遥かに投資しやすいです。

これが、軍用地投資が他の投資と大きく異なる点です。

とはいえ、購入が困難なことを除けば軍用地投資は簡単であり、買いさえすれば毎年借地料が得られ、価値も順調に上がっていきます。

 

そこで大切なのが、軍用地の売却情報を見つけたら、ともかく素早く買い付けを入れることです。

そして、交渉権を得たならば、余裕をもって融資が受け、スムーズに決済することも重要です。

融資交渉が欠かせないワケ

軍用地の購入が困難であることは、当サイトの記事を読んできた人にはもはや常識になっていることでしょう。

本稿でお伝えしたいのは、スムーズな購入のための融資の申し込みと、融資交渉の重要性についてです。

融資の申し込みについては、一般の不動産投資と共通することが多く、すでにご存じの方も多いと思います。

しかし、軍用地投資の特徴を踏まえると、融資交渉についてよく考えておく必要があります。

軍用地投資における融資は、ただ借りられれば良いのではなく、できるだけ良い条件で借りることが重要なのです。

なぜならば、軍用地投資はローリスク・ミドルリターンの投資だからです。

それほど高い利回りが得られないため、金利が高かったり、融資期間が短かったりすれば、負担が重くなってしまいます。

現在、軍用地投資に期待できる利回りは、年利2%程度です。

ローリスクの投資でありながら、年利2%を確保できる(しかも、借地料の増額とともに利回りは上昇していく)のは非常に魅力的です。

とはいえ、年利2%の利回りであれば、借入金利がこれを上回ることも多いです。

軍用地投資は長期投資が基本ですから、金利の影響を軽視してはいけません。

だからこそ、軍用地投資では、一般的な不動産投資以上に融資交渉が重要です。

たとえわずかであっても、融資交渉によって借入金利を低く抑えることができれば、長期的な運用の成果は大きく変わってきます。

金利の影響の具体例

借入金利のわずかな差が、長期的な運用にどのような影響を与えるのか、具体例を見てみましょう。

ここでは、

  • 売値:1000万円
  • 年間の借地料:20万円(年利2%)
  • 借地料の上昇率:年1%

の軍用地の購入に際し、

  • 頭金:200万円(2割)
  • 借入総額:800万円
  • 借入期間:20年

で融資を受けるものとし、金利が3%の場合と2.5%の場合を比較してみます。

【金利3%の場合】

借入金利が3%の場合、ローンを完済するまでの収支シミュレーションは以下のようになります。

期間 借地料収入 借地料上昇率 元利返済額 収支
1年目 200,000 1.00% 537,726 -337,726
2年目 202,000 1.00% 537,726 -335,726
3年目 204,020 1.00% 537,726 -333,706
4年目 206,060 1.00% 537,726 -331,666
5年目 208,121 1.00% 537,726 -329,605
6年目 210,202 1.00% 537,726 -327,524
7年目 212,304 1.00% 537,726 -325,422
8年目 214,427 1.00% 537,726 -323,299
9年目 216,571 1.00% 537,726 -321,155
10年目 218,737 1.00% 537,726 -318,989
11年目 220,924 1.00% 537,726 -316,802
12年目 223,134 1.00% 537,726 -314,592
13年目 225,365 1.00% 537,726 -312,361
14年目 227,619 1.00% 537,726 -310,107
15年目 229,895 1.00% 537,726 -307,831
16年目 232,194 1.00% 537,726 -305,532
17年目 234,516 1.00% 537,726 -303,210
18年目 236,861 1.00% 537,726 -300,865
19年目 239,229 1.00% 537,726 -298,497
20年目 241,622 1.00% 537,726 -296,104

【金利2.5%の場合】

借入金利が2.5%の場合、ローンを完済するまでの収支シミュレーションは以下のようになります。

期間 借地料収入 借地料上昇率 元利返済額 収支
1年目 200,000 1.00% 513,177 -313,177
2年目 202,000 1.00% 513,177 -311,177
3年目 204,020 1.00% 513,177 -309,157
4年目 206,060 1.00% 513,177 -307,117
5年目 208,121 1.00% 513,177 -305,056
6年目 210,202 1.00% 513,177 -302,975
7年目 212,304 1.00% 513,177 -300,873
8年目 214,427 1.00% 513,177 -298,750
9年目 216,571 1.00% 513,177 -296,606
10年目 218,737 1.00% 513,177 -294,440
11年目 220,924 1.00% 513,177 -292,253
12年目 223,134 1.00% 513,177 -290,043
13年目 225,365 1.00% 513,177 -287,812
14年目 227,619 1.00% 513,177 -285,558
15年目 229,895 1.00% 513,177 -283,282
16年目 232,194 1.00% 513,177 -280,983
17年目 234,516 1.00% 513,177 -278,661
18年目 236,861 1.00% 513,177 -276,316
19年目 239,229 1.00% 513,177 -273,948
20年目 241,622 1.00% 513,177 -271,555

以上のシミュレーションの通り、いずれの場合においても、軍用地の利回りを借入金利が上回っている状態では、借地料収入よりもローン返済額のほうが大きくなり、毎年の収支はマイナスになります。

借地料を全て返済に充て、足りない部分は自己資金で賄ったとすれば、20年間の支出総額は、金利3%では約635万円、金利2.5%では約585万円の支出となります。

軍用地の価値は借地料と相場の倍率によって決まります。

現在、嘉手納飛行場の相場の倍率は58~60倍です。

(相場の倍率は今後も上昇すると思われますが)仮に、この軍用地の相場の倍率が60倍で推移していたとすれば、20年目の軍用地価格は、

24万1622円(20年目の借地料)×60(相場の倍率)=1449万7320円

となります。

つまり、ローン完済によって抵当権がはずれ、1449万7320円の軍用地が完全に自分の資産になるまでに、金利3%ならば約635万円、金利2.5%ならば約585万円を負担したことになります。

金利を下げて資産運用を加速させる

20年間で要した負担の差は、50万円です。

たかが50万円のことと考えるかもしれませんが、この軍用地から50万円の収益を上げるためには、20年目の借地料の2年分に相当するのですから、馬鹿にできない金額です。

金利3%で20年返済した場合と、金利2.5%で18年返済した場合の負担がそれほど変わらないとも言えます。

2年早く返済して抵当権がはずれたら、18年目の担保価値をフル活用して新たな軍用地に投資したり、軍用地以外の不動産に投資したりすることもでき、資産運用を加速することもできます。

融資の申し込みについて

以上のことから、軍用地投資では、少しでも良い条件で借りられるように融資交渉をすることが重要です。

そのためには、融資の申し込みについて事前に知識をつけておかねばなりません。

売主と交渉する段階になってから融資の準備をしているようでは、融資交渉はうまくいきません。

融資の申し込みには、金融機関に以下の資料を提出します。

  • 身分証明書(運転免許証か健康保険証のコピー)
  • 2期分の確定申告書(確定申告している場合)
  • 2期分の源泉徴収票
  • 2期分の納税証明書
  • 直近3ヶ月分の給与明細
  • 住民票
  • 印鑑証明書
  • 資産の一覧表(預金、株式、保険、不動産などの一覧表)
  • 返済予定表(すでに借入れがある場合)
  • 購入予定の軍用地に関する資料(土地賃借料算定調書、登記簿謄本、公図、固定資産評価証明書)

スピーディに買い付けを入れ、購入のチャンスが巡ってきたとしても、これらの資料に不備があれば、せっかくのチャンスが無駄になってしまいます。

初めて軍用地投資に取り組む人は、これらの資料を漏れなく揃えるのに、時間がかかることと思います。

資産の一覧表や返済予定表の作成にも時間がかかるでしょうし、ただ取得するだけに見える資料も、意外に手間と時間がかかります。

本業のある中で、市役所で住民票や印鑑証明書を取得したり、税務署で納税証明書を取得したりするのは、なかなか容易ではありません。

軍用地投資を始めるならば、上記の必須書類を早めに準備することを心掛けるべきです。

融資交渉の時間は限られている

一般的に、売買契約におけるローン特約期間は1ヶ月です。

ローン特約とは、売買契約を交わしたものの、金融機関から融資が受けられなかった時、売買契約を白紙撤回できる特約のことです。

1ヶ月もあれば、上記の資料は簡単に揃えられると考える人もいるかもしれません。

しかし、融資交渉まで含めて考えると、あまり余裕はありません。

軍用地は担保価評価が高いため、融資を断られる可能性は低いです。

しかし、もし融資を断られれば、他の金融機関に再度申し込む必要がありますし、最初に申し込んだ金融機関の融資条件が悪い場合にも同様です。

また、よりよい融資条件を求めるならば、複数の金融機関と交渉し、融資条件を比較しなければなりません。

その時間は限られています。

融資交渉は並行で

限られた時間で融資をまとめるには、複数の金融機関に対して同時に融資交渉を始めるのがポイントです。

これは、単に時間内に融資を取り付けるだけではなく、できるだけ有利な融資条件を引き出すことにもつながります。

融資交渉を並行すれば、それぞれの金融機関の融資条件が交渉のカードになるのです。

金融機関にとって、担保評価の高い軍用地への融資は優良案件であるため、できれば融資したいと考えています。

これが、交渉する銀行間での競合を生み、より良い条件につながります。

例えば、A銀行とB銀行への融資交渉を並行して進めているならば、

「A銀行は2.7%を提示しています。もっと良い条件であれば、B銀行さんにお願いしたいのですが」

といった流れで交渉するのです。

これにより、B銀行がより低い金利で融資してくれるかもしれませんし、B銀行が応じなかったとしてもA銀行から融資を受け、スムーズに決済にこぎつけることができます。

まとめ

軍用地投資でも、融資の申し込みの流れは、一般の不動産投資とあまり変わりません。

物件の資料が、軍用地に関する資料になるだけです。

しかし、長期間にわたる軍用地投資では、融資条件によって運用の成果が大きく左右されます。

できるだけ良い条件で融資を受けることで、資産運用を加速することもできます。

そのためにも、複数の金融機関との交渉を並行し、良い条件を引き出していきましょう。

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